中村橋之助 最強の3兄弟が5月に浅草で自主公演 「成長と絆の強さを見せたい」

[ 2026年4月18日 18:00 ]

5月に東京・浅草で自主公演を行う(左から)中村福之助、中村橋之助、中村歌之助
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 歌舞伎俳優の中村橋之助(30)が、2人の弟・福之助(28)、歌之助(24)と、父・芝翫(60)の門弟と共に行う自主公演「第四回神谷町小歌舞伎」が、東京・浅草公会堂で5月1~3日(全4公演)に開かれる。今年は生世話物の傑作「魚屋宗五郎」、歌舞伎舞踊劇「猿翁十種の内 悪太郎」とともに「酒」にまつわる2作を上演。「魚屋宗五郎」では、橋之助が同興行で初めて主役を勤める。スポニチは稽古に励む3人にインタビュー。「一門の成長と、絆の強さを見て!」と呼びかけている。(西村 綾乃)

 公演は、3兄弟の屋号「成駒屋」が本拠地とする東京・神谷町の地名と、「いつか大歌舞伎に昇格を!」という思いを胸に「小歌舞伎」と名付け、2023年から開催しているもの。
 昨年上演した演目の一つ「義経千本桜 川連法眼館の場」では、歌之助が父や橋之助が演じた佐藤忠信(実は源九郎狐)の二役でケレン味あふれる早替わりや、愛らしい狐姿を披露。橋之助は女形の大役・静御前を好演し、福之助は源義経で安定した演技を披露した。

 橋之助は「初開催時に『弁天娘女男白浪』をやった時は、『大丈夫かな』と思う部分もありましたが、2人とも、この1~2年でちゃんと真ん中の役を勤められるようになった」と成長を実感。今年1月には、東京・大阪で、それぞれが主役を勤める機会があった。

 橋之助は昨年に続いて座頭を勤める「新春浅草歌舞伎」で「傾城反魂香 土佐将監閑居の場」に出演。吃音の主人公・浮世又平の喜怒哀楽を見事に表現した。福之助は東京・新橋演舞場で、歌舞伎十八番「鳴神」の鳴神上人に抜てき。柱巻きの見得など迫力ある演技で観客を魅了した。歌之助は大阪・松竹座に登場。「菅原伝授手習鑑 車引」で見せた勇ましい梅王丸は、高い評価を得た。

 福之助は思わぬ大役に驚いたと言うが、指導を受けた父に「周りに良い役者がいる舞台に立てることは幸せなこと。今の自分と向き合え」と背中を押され舞台に臨んだ。

 歌之助は「東の成駒屋代表として恥ずかしくないものを見せたい。緊張よりも責任感の方が強かった」と明かしたが、父の「楽しんでやれ」と言う言葉が迷いを払拭してくれたという。
 今年は親子4人で襲名披露してから10年の節目。3人がそれぞれ力をつけて臨む自主公演では、橋之助が長ぜりふなどの見せ場がある「魚屋宗五郎」で宗五郎役に挑戦する。

 橋之助は「宗五郎次第で色が変わってくる作品。僕は父や紀尾井町のおじさま(二代目尾上松緑さん)が演じたような色気がある宗五郎をやりたい」と思い。女房おはまは、1月の浅草でも妻を勤めた中村莟玉(29)に出演を依頼した。

 「僕は成駒屋。莟玉くんは高砂屋のトップを走らなくてはいけない立場。相棒のような存在です。信頼できる仲間と、いい舞台をお客さまにご覧いただきたいです」

 続く「猿翁十種の内 悪太郎」では、福之助が悪太郎、歌之助が修行者智蓮坊、橋之助が伯父安木松之丞に扮(ふん)する。

 21年に修行者役を勤めた経験がある福之助は、当時共演した市川猿之助(50)から「いつか悪太郎をやるんだよ」と言われていたといい、巡ってきた機会を喜んでいる。

 「鳴神」でも見事な酔いっぷりを見せたが、自らは“下戸”というから驚きだ。福之助は「僕自身は飲めないので、周囲が酔っていく様子を観察しています。1月の『鳴神』は、お正月の集まりでお酒を飲む人の姿を多く見ていたので、よりリアルに演じられました。父の場合ですと、酔うとだんだん下唇が前に飛び出してくるんです(笑い)。『悪太郎』は歌之助との踊りもあるので、お客さまを乗せて、面白くて楽しい悪太郎をお見せしたい」と幕が開くのを心待ちにしている。

 歌之助は、酔った悪太郎に絡まれる真面目な修行者役。めざましい成長を遂げているが、「近年、一番苦戦している」と厳しい顔。2010年に「新春浅草歌舞伎」で猿之助(当時は、市川亀治郎)が演じた「悪太郎」を見たといい「澤瀉屋独特の踊りや動きが、とても難しいのですが、兄と力を合わせて兄弟にしかできない空気感を作りたい」と熱意を込めた。

 “最強の3兄弟”が、心を一つに、神谷町一門、盟友と共に作り上げる「神谷町小歌舞伎」。3人は出演はもちろん、チラシやパンフレットの制作なども担っている。その奮闘ぶりに動かされ、過去の上演会場には若者の姿も多く見られた。募ったアンケートには「今日、初めて歌舞伎を見ました」という声も多くあるといい、「神谷町小歌舞伎をきっかけに、歌舞伎座にも足を運んでいただければ」と期待している。

 橋之助は「僕らが大好きな歌舞伎の魅力を、どうしたらお客さまに伝えられるのかを毎回真剣に考えています。『歌舞伎って難しいんじゃない?』と思っている方も、楽しめる演目です。ぜひ浅草に足をお運びください。来年は『有給を取ってでも行きたい!』と思っていただけるような舞台をお見せします!」と胸を張った。

 詳細は、特設サイト(https://narikomaya.jp/jishikoen/)で確認を。

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