黒木華”昭和顔”は「得している」夢追う夫支える健気な妻を好演

[ 2015年5月17日 09:30 ]

「天皇の料理番」で俊子役を務める黒木華

 古風な役から現代的な映画まで幅広い演技でドラマ、映画に引っ張りだこの女優・黒木華(25)。TBSテレビ60周年特別企画・日曜劇場「天皇の料理番」(日曜後9・00)では、主演・佐藤健(26)が演じる料理人・秋山篤蔵を支える妻・俊子役を務め、存在感を発揮している。今旬真っ盛りの女優へ、役に対する思いや明治~昭和初期の作品での好演が続いていることについて聞いた。

 俊子は、篤蔵と16歳で結婚し、料理人になりたいという夫の夢を誰よりも強く支える役柄。「すごくいい奥さん」である俊子のキャラクターに強く惹かれていると話す。

 「俊子さんは相手を思いやって行動できるんだけれども、その中に自分自身をきちっと持っている女性。ものすごく見習いたくなるというか。女性として素晴らしく大人だなと思いますね。可愛らしいところもありますけど、だからこそ篤蔵さんを支えていける部分もあるし、逆に篤蔵さんにささえられる部分もあると思います」

 そんな俊子を一言で表すと「たんぽぽみたい」。派手ではない、道端にもたくましく生えている植物でありながら可愛らしい花のイメージと、「めげないというか、ものすごくまっすぐ生きている」役柄がぴったりだという。さらに「綿毛のように優しい、ふわふわしているんですけど、家族や篤蔵さんをしっかり支えている」と俊子が持つ柔らかい空気感も重ねた。

 布宮タキ役で14年にベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞した「小さいおうち」(14年公開)や14年に放送されたNHK連続テレビ小説「花子とアン」など、黒木の代表作と言える作品の中では明治から昭和初期を描いたものも目立つ。それだけに昭和を演じられる、昭和の雰囲気を持っていると呼び声高いが、その評価に関して聞いてみると「ふふふ、うれしいです」とニッコリ。

 時に「昭和顔」とも言われる自身の顔立ちについては「そうなんだと思います。派手な顔立ちではないと思うので。(派手な顔に)憧れたりはしますけどね、平成生まれなので」と年頃の女性らしい思いを多少は口にしつつも、「違和感なく見てくださるというのがいいかなと思うので、そういう意味では得しているかなと思いますね、そういう時代をやる時に」と前向きに受け止めている。

 第1話では、篤蔵が石橋杏奈(22)演じる妹役を自身の結婚相手(俊子)だと勘違いして、いざ俊子と対面した際にはガッカリするというシーンがある。「小さいおうち」でも「べっぴんではない」という役。そうした設定に心中複雑なのではないかと思いきや、「その通りだと思います。私べっぴんではないので」とケロリ。「親しみやすい顔っていうことにしてもらえるとうれしいです。自分で自分自身をきれいと思ったことはないので、そういう印象を持たれても悲しくはないですね。そのまま受け取ってます」と笑った。

 石丸彰彦プロデューサーは「華さんは、どうしてうまいんでしょうね。どうしてうまいかは分からないんですよ。だから、一度ご一緒したかったです。編集をしていても結局気づくと、華さんに引っ張られてしまうんですよね。心をつかまれる演技をする彼女に、いつもビックリしています。『うまい』とか『表現力』とかを超えた別の次元の女優さんだと思います」と黒木の魅力を説明。そのうえで「『きれい』とか『かわいい』とかというニュアンスより、人として美しい『美人』という言葉がすごく似合う女優さんだと思います」と表現した。

 第3話で、篤蔵が単身東京で料理の腕を磨いている間に福井で待つ俊子の妊娠が発覚。俊子は篤蔵の夢を支えるために自分1人で子を育てる覚悟まで抱いていたが、篤蔵は妻と子を養うためより料理修行に打ち込むことになる。17日午後9時から放送される第4話では、仕事を懸命に励む篤蔵が事件を犯してしまう。そして、俊子の身に異変が…。

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