「グッディ！」浮上には硬派路線？視聴率＆満足度で検証する１カ月

「情報ライブ　ミヤネ屋」の宮根誠司キャスター（左）と「直撃ＬＩＶＥグッディ！」の安藤優子キャスター

　安藤優子キャスター（５６）と俳優の高橋克実（５４）がＭＣを務めるフジテレビの情報番組「直撃ＬＩＶＥグッディ！」（月～金曜後１・５５）が３月３０日にスタートして１カ月が経過した。宮根誠司キャスター（５２）が司会を務める日本テレビ「情報ライブ　ミヤネ屋」（月～金曜後１・５５）との“午後の情報番組戦争”を視聴率、満足度から検証する。

　フジは過去「知りたがり！」（１２年４月～１３年３月）「アゲるテレビ」（１３年４～９月）で“王者”「ミヤネ屋」に挑んだが、あえなく撤退。ドラマの再放送枠に戻っていたが、今回、３度目の挑戦状を叩き付けた。

　■視聴率は大差

　番組平均視聴率は「ミヤネ屋」が午後１時５５分から３時５０分の数字に対し、「グッディ！」は午後１時５５分から２時５５分（１部）と午後２時５５分から３時５０分（２部）に分かれて集計されているため、単純比較にはならないが、３月３０日から４月３０日のデータを見る。

　ビデオリサーチ調べの数字（関東地区）を基に、この期間（２４日間）の平均を算出すると「ミヤネ屋」は８・０％、「グッディ！」１部は２・９％、２部は２・７％。

　最高は「ミヤネ屋」が４月８日の１０・９％（水）。「グッディ！」１部が４月１３日の４・９％（月）、２部が４月７日（火）の３・７％。

　最低は「ミヤネ屋」が４月２２日（水）の６・６％。「グッディ！」１部が４月２４日（金）の２・１％、２部が４月２４日（金）２７日（月）の１・５％。

　４月２０日（月）には「ミヤネ屋」１０・１％、「グッディ！」１部２・５％で最大７・６％の差がついた。

　まだ始まって１カ月とはいえ「グッディ！」の低迷は明らか。ドラマの再放送は作品にもよるが、３月中旬にオンエアされた「古畑任三郎」は３～４％を記録しただけに「グッディ！」の１部平均２・９％、２部平均２・７％は厳しい結果となった。

　■満足度は五分

　データニュース社（東京）が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」（対象者３０００人）による「満足度」（５段階評価）はどうか。

　視聴率の大差とは一転、３月３０日から４月２７日の２１日間の満足度平均は「ミヤネ屋」３・３１、「グッディ！」３・３２と五分。

　「ミヤネ屋」は「宮根さんの小気味よいトークはやはり魅力があると思う」（女性・６２歳）「１つのニュースだけで話を引っ張れる宮根さんは凄いと思う」（女性・３０歳）と、関西ローカル時代の２００６年から続く宮根キャスターの司会ぶりに一日の長。

　また「事件もかなり掘り下げて、問題提起している」（男性・６９歳）「報道番組としては評価できる」（女性・６６歳）と硬派の側面も認められている。

　「グッディ！」も「安藤さんと高橋さんのやり取りが良い」（女性・５３歳）「安藤さんと高橋さんのコンビが絶妙でナイス」（女性・４８歳）と負けていないが、その一方で「扱うテーマがゆる過ぎて、安藤さんの持ち味が出せないという印象」（男性・６６歳）「だんだん味が出てきた感じ。安藤さんと高橋さんの掛け合いが絶妙。しかし、雰囲気だけでは、いずれ飽きられます。ポイントは中身。政治経済批判もほどほどに組み込むことが必要でしょう。これが弱いと、ミヤネ屋に戻っちゃいますかね」（男性・６８歳）という声も。「ミヤネ屋」との差別化、硬派のニュースをいかに扱うかがカギになりそうだ。

　■４月２９日の番組比較

　そこで、ここ１週間で「ミヤネ屋」の視聴率が９・６％と最も高かった４月２９日の放送内容を比較してみる（「グッディ！」は２・９％）。

　＜ミヤネ屋＞
　１３：５５～１３：５９＝東北新幹線の全線運転見合わせ
　１３：５９～１４：０８＝女優シャーロット・ケイト・フォックスのＣＤデビューイベント
　１４：０８～１４：３６＝英王室キャサリン妃の第２子出産
　１４：３６～１４：４７＝ネパール大地震
　１４：４７～１４：５４＝ＣＭなど
　１４：５４～１５：０５＝日本テレビ報道局からニュース
　１５：０５～１５：１９＝３歳息子をウサギ小屋に監禁致死
　１５：１９～１５：３３＝愛のスパルタ料理塾
　１５：３３～１５：４０＝柳沢慎吾ギックリ腰の瞬間
　１５：４０～１５：５０＝天気、エンディング

　＜グッディ！＞
　１３：５５～１３：５５＝オープニングトーク
　１３：５５～１４：０５＝東北新幹線の全線運転見合わせ
　１４：０５～１４：２１＝３歳息子をウサギ小屋に監禁致死
　１４：２１～１４：３１＝中国で農薬スイカ
　１４：３１～１４：５７＝ゴールデンウイーク企画・動物園でベビーラッシュ
　１４：５７～１５：０３＝東京・池袋の公園で高い放射線検出
　１５：０３～１５：１７＝教えて！プロの選択「麻婆豆腐」
　１５：１７～１５：２０＝報道センターからニュース
　１５：２０～１５：３８＝「このニュース　知ってました？」渡辺謙トニー賞候補、ネパール大地震、ＮＨＫ「クローズアップ現代」問題
　１５：３８～１５：４４＝天気、ＣＭ
　１５：４４～１５：５０＝「カッツミーのニッポン人まとめ」旅行失敗エピソード、エンディング

　トップニュースは「東北新幹線の全線運転見合わせ」で同じ。その後、ミヤネ屋がまず「英王室キャサリン妃の第２子出産」に時間を割いたのに対し、グッディ！は「３歳息子をウサギ小屋に監禁致死」。グッディ！はキャサリン妃の話題を取り上げなかった。

　グッディ！は１部後半丸々「動物特集」。動物は数字が取れるとされ、ゴールデンウイーク初日にぶつけた企画だが、上記感想にある「扱うテーマがゆる過ぎて」という印象も否めない。

　両番組とも後半に偶然にも料理企画。グッディ！の２部は細切れコーナーが続き、１％台に落ち込む苦戦の一因かもしれない。

　グッディ！の「東北新幹線の全線運転見合わせ」は福島駅・東京駅からの中継、鉄道評論家と電話を結ぶなど、少しでも詳しく伝えようする姿勢は伝わる。曜日パネラーを芸人で固めたのは賛否が分かれそうだ。
　
　■ドラマ再放送から離れた視聴者を呼び戻せるか？
　
　「ドラマの再放送がなくなり、見るものがないからミヤネ屋を見ている」（女性・４２歳）とフジのドラマ再放送を楽しみにしていた視聴者もいる。ドラマ再放送のままでよかった――。そう言われないよう「グッディ！」のチャレンジは続く。