AKB襲撃に懲役6年 裁判長「命を奪いかねない危険な犯行」

[ 2015年2月11日 05:30 ]

アイドルグループ「AKB48」のメンバーらが襲われた握手会会場=2014年5月25日

 岩手県滝沢市で昨年5月、アイドルグループ「AKB48」のメンバーらが切りつけられた事件で、傷害などの罪に問われた青森県十和田市の無職梅田悟被告(24)に、盛岡地裁は10日、懲役6年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。

 梅田被告は、首をすくめるようにし、うつむきながら入廷。判決について、岡田健彦裁判長から「分かりましたか」と問われると、甲高い声で「はい」と答えた。裁判長は判決理由で、動機について「仕事が見つからず、収入がなくつまらないという気持ちから、誰かに八つ当たりして鬱憤(うっぷん)を晴らしたいと思うようになった」と指摘。「一歩間違えば命を奪いかねない危険な犯行だった。事件後(芸能人とファンとの)交流イベントが中止になるなど、社会的影響も軽視できない」と述べた。判決理由を座って聞いた梅田被告は時折、膝の上に置いた手を握りしめるしぐさをみせた。

 判決によると、梅田被告は昨年5月25日夕、滝沢市のAKB握手会会場で、メンバーの川栄李奈(19)と入山杏奈(19)、20代の男性スタッフにカッターの刃を貼り付けた折りたたみ式のこぎりで切りつけ、重傷を負わせた。

 弁護人は判決後、報道陣に「控訴は考えていないが今後、被告と相談する」と述べた。

 梅田被告は事件直後、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。これまでの公判で「自分勝手なことをして反省している」と述べていた。盛岡地検は鑑定留置した上で刑事責任を問えると判断したが、凶器の形状などから傷害と銃刀法違反の罪で起訴した。

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2015年2月11日のニュース