たかじんさん幻の問題作CD化 71年即日発禁の「娼婦和子」

[ 2014年9月22日 05:30 ]

キングレコード所属時代のやしきたかじんさん

 ことし1月3日に64歳で死去した歌手でタレントのやしきたかじんさんの初期の楽曲を集めた2枚組CD「シングル・コレクション 1976―1982」が12月3日に発売され、幻の問題作「娼婦和子」が収録されることが21日、分かった。他にも初出しのライブ音源や、これまでのアルバムに未収録のシングル曲などお宝満載の内容となっている。

 ♪ほんとの親に犯されて ほんとの親に売られたの――。衝撃的な歌詞で始まるたかじんさん作詞・作曲のインディーズ・レーベル「京都レコード」からのデビュー曲「娼婦和子」は、1971年5月20日に発売されるも、当時の社会通念に見合わないと即日“発禁”になった。メジャー・レコード会社からの発売とは異なり流通ルートも限られ、ほぼ手売りで、同レコードの購入者はほとんどいなかったとみられる。幻の問題作が、初のCD化で43年ぶりによみがえる。

 たかじんさんも発売を阻まれた悔しさから作品を手元に置かず、歌うこともなかったという。「シングル・コレクション」の販売元であるキングレコードが捜索の末、レコードを持つ京都府在住の関係者を見つけ、B面の「さよならの言葉」と両曲の収録が実現した。

 さらに80年に大阪・梅田の老舗ライブハウス「バーボンハウス」で開かれた公演の模様をMCも含めて初収録。元キングレコードの宣伝部長でデビュー当時からたかじんさんを担当し、今作を監修した竹中健三氏が所蔵していた。「東京進出宣言をした30歳のライブ。“本丸攻めたるわ!”という決意を秘めつつ、嫌いな東京の悪口を言う。ケンカ戦法も明かしたり、まだたどたどしさもあるけど“しゃべくりのたかじん”の原点が聴ける。歌とバンドの演奏も本当に素晴らしい」とアピールした。

 また、メジャー・デビュー曲「ゆめいらんかね」(76年)などキングレコードから発売された初期のシングルレコード収録全19曲を完全網羅。若き日の作品が再度、日の目を見ることになり、「たかじんが一番喜ぶと思う。照れながら“おお、そうなん?ようやってくれたやん”って言うでしょうね」と、竹中氏は代弁していた。

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