「美味しんぼ」鼻血表現に大阪市も抗議 橋下市長「取材が甘い」

[ 2014年5月12日 11:12 ]

 12日発売の小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」掲載の漫画「美味しんぼ」で、震災がれきを受け入れた大阪市内の焼却場近くの住民について、鼻血を出したり、目やのどに不快な症状を訴えたりしていると表現されたのは事実無根として、大阪市と大阪府は同日、小学館に抗議文を出した。

 橋下徹市長と松井一郎知事の連名で提出。焼却場のある同市此花区や同区の医師会に確認したところ、多数の住民が症状を訴えている事実はないとしている。

 橋下氏は市役所で記者団に「根拠を示してほしい。取材が甘い」と指摘した。

 市環境局によると、2日に環境省から情報提供があり、小学館に確認したところ、掲載内容が判明。9日に訂正を申し入れたが、受け入れられず、12日の発売を受けて、抗議文を送ったという。

 12日発売号では、前号に続き、主人公の新聞記者たちが井戸川克隆前福島県双葉町長や「岐阜環境医学研究所」の所長を取材。同所長が、大阪の震災がれき焼却場近くの住民千人を対象にした調査で「鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあった」と指摘している。

 大阪府と大阪市は「19日発売号で反対意見を載せると聞いている。内容を見てから、今後の対応を考えたい」としている。府と市は2013年1月、東日本大震災で発生した岩手県のがれきを受け入れ、計約1万5300トンの処理を同年9月に終えた。

 美味しんぼをめぐっては、前号の内容をめぐり、福島県双葉町が小学館に抗議文を提出したほか、石原伸晃環境相が描写を批判するなど波紋が広がっている。

続きを表示

2014年5月12日のニュース