クラシック界の巨匠 C・アバド氏が死去

[ 2014年1月20日 22:16 ]

 イタリアのメディアによると、クラシック音楽界の巨匠で、カラヤンの後任を務めたこともある同国の指揮者クラウディオ・アバド氏が20日、北部ボローニャで死去した。80歳。死因は不明だが、かつて胃がんの手術を受けたことがあり、体調不良で昨年末からコンサート活動などをキャンセルしていた。

 1933年イタリア北部ミラノの音楽一家に生まれた。ミラノ音楽院などでピアノや指揮を学び、60年に27歳の若さでミラノ・スカラ座の指揮者としてデビュー。68~86年にスカラ座の常任指揮者や音楽監督などを務めた。

 ロンドン交響楽団の音楽監督やウィーン国立歌劇場の音楽監督を経て、89年にカラヤンの後任として世界最高峰とされるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督に選ばれ、2002年まで務めた。73年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と初来日して以来、日本公演も多い。

 若手中心のオーケストラを編成するなど、後進の育成にも努めた。03年、第15回高松宮殿下記念世界文化賞受賞。昨年8月、国家功労者から選ばれるイタリアの終身上院議員に任命されていた。

 来日公演では、オペラやベートーベンの交響曲などを披露。昨年10月には東京や宮城県松島町で、スイスのルツェルン祝祭管弦楽団を指揮する予定だったが、健康上の理由から中止した。

 高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した際は「多くのことを教えてくれた日本から賞をいただけるのは非常にうれしい」と話した。(共同)

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2014年1月20日のニュース