たかじんさん、初期4アルバム復刻!10年以上前に廃盤

[ 2014年1月20日 06:02 ]

やしきたかじんさん

 3日に死去した歌手でタレントのやしきたかじんさん(享年64)の廃盤になった初期のアルバム4枚が、2月26日に復刻リリースされる。「GOLDEN☆BEST やしきたかじん」(08年)がオリコン演歌・歌謡アルバムチャート(20日付)で5位に浮上するなど歌手としての再評価が高まる中、76年のデビューから7年間所属したキングレコードに残る貴重な音源がよみがえる。

 10年以上前に廃盤となっていたアルバムの再発売で、20代後半から30代前半の若きたかじんさんの歌声に再会できることになった。第3作「明日になれば」(80年)と第4作「プロフィール」(81年)は初のCD化。同社では、「発売当時のオリジナル音源を手にしてもらえる貴重な機会」とアピールする。

 「やっぱ好きやねん」のヒットや、“浪速の視聴率男”の異名を取ったたかじんさんは、1976年10月にアルバム「TAKAJIN」とシングル「ゆめいらんかね」の同時発売でデビュー。だが、キングレコードから発売したアルバム4枚は売り上げが伸びなかった。

 デビュー作と第2作「愛しのガール Takajin/2」(77年)では、作詞は高校時代の友人・荒木十章氏が担当。デビュー前、たかじんさんは3畳一間のアパートで暮らし、“酒と女と歌”が三種の神器だったという。デビュー後も京都・祇園で弾き語りを続けた知られざる不遇の時代が、友人の目を通して歌に投影されている。元キングレコード宣伝部長で、たかじんさんをデビュー当時から担当した竹中建三さん(73)は、「当時の生きざま、皆さんの知らないたかじんを、初期の作品で垣間見てもらえる」と語る。

 たかじんさんは、「僕がいなくなってから売れてもいいじゃないですか。そんなレコードがあっても」と語ったことがある。これは、別のレコード会社に移籍後、キングレコードから発売されるベスト盤の選曲会議に参加した際の言葉。所属を離れた歌手が選曲や宣伝活動に加わることは異例だが、たかじんさんはプロへの道を開き、売れない時代を支えてくれた古巣への恩を忘れず全面的に協力した。

 たかじんさんが世を去った今、当時の言葉がさらに強く竹中さんの心に響く。「売れたら、“今ごろ分かったんか!遅いわ”と言うでしょうけど、彼も喜びますよ」と、復刻盤が多くの人の耳に届くことを祈っていた。

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