30日初日「真田十勇士」主演・上川隆也が語る舞台への思いとは

[ 2013年8月23日 05:00 ]

真剣な表情で稽古に打ち込む上川隆也

 スポニチ創刊65周年記念事業の舞台「真田十勇士」(8月30日開幕、赤坂ACTシアター)に主演する上川隆也(48)が、初日が間近に迫った大型時代劇にかける意気込みを語った。

 上川が演じる真田幸村は、大坂冬の陣、夏の陣で徳川家康と戦い、一時は本陣まで攻め込んだという戦国武将の“ヒーロー”。今回演じるにあたっては「超然とした人間にはしたくない。あくまでも十勇士とともに戦う男。成し遂げたことの道筋に仲間がいたことを忘れたくない」と武将としての、男としてのつながりに力点を置いている。

 「一門、一党と言われるような連中でありたい」と強い絆を表現すべく、稽古が進んでいる。上川は「(戦国)当時も大坂城の一角では“一門”内で面白おかしいことも起きていたのではないか」と思いをはせ、精神的に“熱い”現場で充実した時間を過ごしている。

 家康と対峙(じ)する中で、最後には徳川に屈することにはなるが、上川は「幸村と十勇士の関係は揺らぐことすらなかったのでは。日々の命を燃やしていく姿がたくましくも物悲しい」と語る。結末は見てのお楽しみになるが、練り込まれたストーリーが大いに期待できそうだ。

 猿飛佐助役の柳下大(25)と真田大助役の渡部秀(21)ら若手俳優陣とも共演する。「(役者が)放つものと互する状態でいたい。作り上げるために常に掛け算が生じるように。思いもよらないお芝居をしてくることもあり、実に楽しい」と語る。さらには、家康役の大先輩を演じるのは里見浩太朗(76)だ。「(雰囲気が)座っているだけで稽古場なのに稽古場じゃなくなっている感覚。相対しているときの緊張感、緊迫感は肌が粟立つ」とその存在感の大きさを実感している。

 最後に上川は、主題歌を中島みゆきが歌っていることについて触れ「中島さんは(主題歌を)月をモチーフにしてくださった。幸村、十勇士は太陽ではなく、光に照らされた男たちの物語。その中で誰か一人でも、光っていたな、カッコ良かったな、と好きになってもらえたらうれしい」とメッセージを語った。30日の初日へ追い込みに入る。

 ◆上川 隆也(かみかわ・たかや)1965年5月7日生まれ。中大在学中の1989年に演劇集団キャラメルボックスに入団。95年、NHK70周年記念日中共同制作ドラマ「大地の子」で主役「陸一心」役に抜擢される。06年のNHK大河ドラマ「功名が辻」では主役の山内一豊役を演じた。舞台、テレビの両面で活動するかたわら、テレビアニメーションでは声優として参加し、活躍の場を広げている。今年は初主演となる映画「二流小説家~シリアリスト~」が6月に公開された。近年の主な出演作は舞台「陽だまりの樹」(12年)、映画「沈まぬ太陽」(09年)「荒川アンダーザブリッジ」(12年)ドラマ「遺留捜査」シリーズ(テレビ朝日、11~13年)「火車」(同、11年)「平清盛」(NHK、12年)「ステップ・ファーザー・ステップ」(TBS、12年)ほか。9月29日にスペシャルドラマ「特捜最前線」(テレビ朝日)、10月からは連続ドラマ「怪奇大作戦」(BSプレミアム)に主演する。

 ▽舞台「真田十勇士」 8月30日~9月16日、赤坂ACTシアターで東京公演。名古屋・大阪公演あり。脚本に「劇団☆新感線」座付作家の中島かずき氏、演出に幅広いジャンルで活躍する宮田慶子氏を迎え、主演の真田幸村を上川隆也、敵対する徳川家康を里見浩太朗が演じる。柳下大、倉科カナ、そして賀来千香子らベテランから若手の豪華メンバー出演の大型時代劇。主題歌は中島みゆきが担当する。

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2013年8月23日のニュース