三国連太郎さんを悼む 役所広司「巨人」有馬稲子「シャープで怖かった」

[ 2013年4月16日 06:28 ]

1996年4月、映画「美味しんぼ」初日舞台あいさつで同席した三国連太郎さん(前列左)と佐藤浩市(後列左)。前列右は森崎東監督、後列右は羽田美智子

三国連太郎さん死去

 14日に死去した三国連太郎さんに悼む声が次々と寄せられた。

 ▼森崎東監督(「美味しんぼ」などの出演映画を手掛けた)ちょっと構えた独特の感性で、ふとした拍子に驚くような演技をなさった。それを見逃さず、すくい取らないといけないので、監督としては、油断のならない人でした。

 ▼仲代達矢(映画「切腹」などで共演)三国さんは演技にしても生き方にしても個性が強く、演じるということを突き詰めてこられた。とても尊敬する方でした。日本映画にとって大事な俳優がまた一人亡くなられた。残念で仕方ありません。

 ▼役所広司(「わが母の記」で共演)われわれの世代にとっては、まさに、巨人のような存在でした。最後の作品「わが母の記」でやっと共演させていただき幸運でした。三国さんの役はセリフのない、ゲスト的な出演でしたが、役に対するこだわりと、その存在感は圧倒的なものでした。

 ▼有馬稲子(映画「夜の鼓」で共演)三国さんから殴られるシーンがありました。三国さんは本気で私を殴り、夢中になると前後分からなくなっていました。晩年は穏やかな役も演じられましたが、若いころはシャープで怖かった。日本の名優の一人がいなくなって本当に残念です。

 ▼三田佳子(映画「愛欲」「利休」などで共演)同じ夫婦の役でも「愛欲」の時は、撮影の合間も冷たくふるまわれ、「利休」の時は慈愛に満ちた態度でいらした。役に自身のすべてを投じきる姿勢には、いろいろなことを学ばせていただきました。

 ▼羽田美智子(映画「美味しんぼ」で共演)初めてお目にかかった時の圧倒的な存在感、周りの空気を振動させる緊張感が今でも忘れられません。一カット一カットを重厚なお芝居で格調高くされていくところは魔法がかかったようでもありました。

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2013年4月16日のニュース