渡辺えり「爆発させたい」ロックで勘三郎さん“追悼”

[ 2013年1月12日 06:00 ]

渡辺えり作の舞台「今昔桃太郎」に主演した中村勘三郎さん(04年12月)

 劇作家で女優の渡辺えり(58)が、昨年12月に57歳で亡くなった歌舞伎俳優中村勘三郎さんの“追悼”ロックコンサートを開く。20日に東京・六本木のライブハウス「スイートベイジル139」で開催する「渡辺えり 新春ロックコンサート」で、親交の深かった勘三郎さんの大好きだった曲などを熱唱する。

 渡辺が“盟友”勘三郎さんへの思いを歌に込める。ベートーベンのピアノソナタ第8番「悲愴」にオリジナルの日本語の歌詞をつけ、「友に」と題して歌うほか、勘三郎さんが大好きだった故越路吹雪さんの「サン・トワ・マミー」「ろくでなし」をロック調で歌唱。曲の合間には、勘三郎さんへの思いも語り、「叫ぶ歌、ロックを通して、自分の内面を吐露し、爆発させたい」と話している。

 2人は、87年のNHKのドラマ「ばら色の人生」で共演し、芝居に対する考え方で意気投合して以来の親友。渡辺作の舞台「今昔桃太郎」(04年)、「新版舌切雀」(07年)に勘三郎さんが主演した。プライベートでも、酒を酌み交わす仲で、勘三郎さんは57歳の誕生日だった昨年5月30日に「女形を主役にした珍しい歌舞伎を書いてくれないか」と渡辺に依頼。昨年12月27日の本葬で、渡辺は「やっぱり別れるのは嫌。安らかに眠ってくださいって言うんでしょうけど、お化けでも何でもいいので、出てきてほしい」と悲痛な胸の内を語っていた。

 もともとは、昨年8月に亡くなった親友の女性と高校時代に歌っていた歌を中心にしたコンサートにしたいと考えていた。「2人で聴いて影響を受け、語り合った歌をもう一度歌い、親友を思うことで、これからの時代を生きていきたいと思った」と曲目などを検討していた矢先に勘三郎さんも死去。2人の親友を失い、「友人として絶望した心を再生させることがこのコンサートでできればいいと思う」と、勘三郎さん追悼の曲も歌うことに決めた。

 これまでのコンサートではロングドレス姿でジャズやシャンソンを歌ってきた渡辺。自身初のロックコンサートとなる今回はミニのワンピース、ブーツの“ロッカースタイル”に身を包み、天国の勘三郎さんらへ“心の叫び”を届ける決意だ。

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2013年1月12日のニュース