諸国漫遊42年…「水戸黄門」年内限りで終幕

[ 2011年7月16日 06:00 ]

5代目黄門・里見浩太朗(第31部、2002年~、43部、2011年)=(C)C.A.L

 TBSは15日、東京・赤坂の同局で会見し、長寿時代劇「水戸黄門」を現在放送中の第43部で終了すると発表した。難波一弘・取締役編成制作局長は「日本の放送史に残る国民的番組だが、時代のすう勢で以前より視聴者が減ってきた」と理由を説明した。

 現在出演中の5代目黄門・里見浩太朗(74)も同席。「昨晩(14日)番組終了を聞いた」と突然、局側から終了の“印籠”を出された状況を明かし「ズバッと後ろから斬られたようで、残念というより痛いという思い」と沈痛な表情だった。

 1969年8月4日に放送開始。黄門一行が悪人を懲らしめる痛快なストーリーが人気で、最高視聴率は43・7%(1979年2月5日放送、ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークした。しかし、最近は10%前後と低迷。第43部の第1話(今月4日)は10・0%、第2話(11日)は9・6%だった。

 同局で終了の話し合いが始まったのは、東日本大震災前の今年春。テレビ関係者は「被災した地区では関東地区より視聴率が1~3%上回る所もある」と指摘。それでも幕引きを決めた理由について、難波氏は「余力を残し、皆さんに惜しまれ愛されながら終了するのが一番いい終わり方ではと考えた」と話した。最終回は12月19日。里見は「いい花道を」とTBSに頼んだ。今後は現代劇を放送する。

 ▼佐野浅夫(3代目黄門)いまだに「ご隠居」と親しみをこめて声を掛けていただいています。この番組が終わるということは、日本人の心もどこか遠くへ行ってしまうのでは。残念です。

 ▼由美かおる(かげろうお銀、疾風のお娟)(初代の)東野(英治郎)黄門様とはゲストでご一緒し、その後、4代の黄門様に仕えた者としてとても残念ですが、視聴してくださった皆さまの勧善懲悪の精神はきっと生き続けるでしょう。

 ▼横内正(初代格さん)僕が出演していた頃に助さんだった里見さんが黄門様をやる姿を見るにつれ、時の流れを感じていた。これだけ国民に定着したお化け番組なので感慨深いものがある。

 ▼あおい輝彦(3代目助さん)助さん役をお受けするに当たって、戸惑いとともに、胸が高鳴ったのを覚えています。「水戸黄門」は日本人の心の教科書だったと思います。
 

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