夏川結衣 緊張オペ「悪魔のような宝物のような」

[ 2011年1月18日 06:00 ]

毎日映画コンクール・女優助演賞の夏川結衣

2010年毎日映画コンクール・女優助演賞

 「孤高のメス」で看護師役に初挑戦した夏川結衣(42)が女優助演賞に輝いた。

 事なかれ主義がまん延する病院内で意欲を失っていたが、志ある医師との出会いで誇りを取り戻していく役どころ。物語の前半は表情を出さないことで無気力さを表現。選考委員の1人からは「ブスッとした表情が最高だった」と評価された。

 「コメディー作品のような動きのある表情は作りやすいけど、こんな普通の女性が一番難しい。それが評価されてうれしい」と声を弾ませた。

 役作りには苦心を重ねた。病院に足を運び手術を見学。何十本もの器具の名前を覚え、執刀医に器具を手渡す「器械出し」の練習を繰り返した。

 特にハードだったのが、4日間にわたったクライマックスの手術シーンの撮影。「うそをつかない」ことにこだわった成島出監督(49)は、実際の手術の手順をほぼ完ぺきに再現。手術室に缶詰め状態となったキャストやスタッフの疲労は極限に達したが、映画作りの醍醐味を味わえる濃密な時間でもあった。「悪魔のような、宝物のような4日間でした」と感慨深げに振り返る。

 同作品では堤真一(46)も男優主演賞を獲得。「みんなを笑わせて、現場の緊張をほぐしてくれるムードメーカーの座長でした。会うのが楽しみ」と表彰式での再会を心待ちにしている。

続きを表示

2011年1月18日のニュース