トリノ王立歌劇場来日公演 ヴェルディ :歌劇「椿姫」(全3幕イタリア語上演 日本語字幕付)

[ 2010年7月17日 06:00 ]

トリノ王立歌劇場(C)田中克佳

 ジャコモ・プッチーニの代表作のひとつである歌劇「ラ・ボエーム」が初演された劇場はどこかご存知ですか。それはスカラ座でもフェニーチェでもなくトリノ王立歌劇場。トリノ・レージョ(レッジョ)劇場という名称でも呼ばれるこのオペラ・ハウスの創立は1870年で、何かにつけて「世界最古」と称される1841年創建のザクセン州立歌劇場(ドレスデン国立歌劇場)とさほど変わらぬ歴史を持つ。往年の巨匠アルトゥーロ・トスカニーニが2度にわたって音楽監督を務め、プッチーニの「マノン・レスコー」もこの劇場で初演された。さらにワーグナーやリヒャルト・シュトラウスのドイツ系作品のイタリア初演や先駆的上演も数々手がけるなど、豊かな伝統を誇る名門だ。

 そのトリノ王立歌劇場が今月、初めての来日公演を行う。「ラ・ボエーム」とヴェルディの歌劇「椿姫」の2作品を上演(東京などで7公演)するが、注目は両演目のヒロイン。前者はバルバラ・フリットリ、後者はナタリー・デセイと今、イタリア・オペラの分野では最も脂が乗っているといわれる実力派のディーヴァ(歌姫)がその充実ぶりを披露するからだ。

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2010年7月17日のニュース