[ 2010年7月17日 06:00 ]

ローラン・ペリ演出の「椿姫」のワンシーン (C)田中克佳

 なお、「椿姫」についてはバックナンバー、第9回(08年6月1日付)をクリックして参照いただきたい。

 最後に音楽監督のノセダについても紹介しよう。日本ではワレリー・ゲルギエフ率いるサンクトペテルブルク・マリインスキー劇場の指揮者としての印象が強いが、ロシア人ではなくミラノ出身の生粋のイタリア人指揮者だ。劇場叩き上げだけにオペラ上演の手腕とノウハウは、あのゲルギエフが一目置くほどの存在。大柄な体格と激しい動きからは想像できないほどの繊細な表現も目を見張るものがある。歌手がその実力を最大限に発揮できるようにオーケストラを細かくコントロールしながら、物語のツボはシッカリと押さえて時には朗々と歌い上げていくのは、まさにオペラの職人というべき卓越した手腕といえよう。

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2010年7月17日のニュース