11

[ 2010年6月13日 06:00 ]

カンブルランは4月の定期公演でも未完となった第10交響曲のアダージョを取り上げているが、今回の「大地の歌」のチョイスにも彼なりのこだわりが感じられる。プログラム全体を見ると、「天地創造」の冒頭部分→「砂漠」というタイトルの現代作品→無常がテーマの「大地の歌」と、ある種の共通項で括ることが出来よう。5月に行われた就任披露公演では現代的センスにあふれたスタイリッシュな「春の祭典」(ストラヴィンスキー)を聴かせてくれたカンブルランと読売日響がマーラー晩年の死生観をいかに表現するのかが、この公演の注目ポイントといえよう。

続きを表示

2010年6月13日のニュース