[ 2010年2月27日 06:00 ]

アリス=紗良・オットはまさに才色兼備の実力派

 19歳にして、クラシックの名門レーベル、ドイツ・グラムフォンと契約し、リストの「超絶技巧練習曲集」をリリースし華々しくデビューを飾った彼女。まだあどけなさを残した少女の顔をしていながら、強い意志を感じさせる真っすぐな目をしていました。自分の世界観を堂々と表現する芯の強さは、その表情にもあらわれていたのです。名門レーベルお墨付きのテクニックだけではなく、彼女の内なる感情が、説得力のある個性的な音楽を生み出しているのでしょう。終始、自らの音楽表現を貫いていた紗良・オットですが、第3楽章では、オラモを中心として、オケとピアノが見事に響き合い、圧巻のフィナーレを迎えました。目の前で共鳴し合う音楽を聴くのは、刺激的です。なかなか相性の良いマッチングでした。ヴァイオリニストの諏訪内晶子との共演(ヴルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番)では、どのような相乗効果が生まれるのでしょうか。楽しみです。

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2010年2月27日のニュース