[ 2010年2月27日 06:00 ]

丁寧な指揮でオーケストラをリードするサカリ・オラモ

 一方、首席指揮者に就任して2シーズン目のオラモは、派手なパフォーマンスではなく、シッカリした音楽解釈で楽員を束ねることができるだけの実力の持ち主と見ました。

 「オラモの出身地フィンランドは、優秀な指揮者を数多く世に送り出している。現役で活躍している人でもエサ・ペッカ・サロネン、今月、読売日本交響楽団の定期公演に客演したレイフ・セゲルスタム、オスモ・ヴァンスカ、ミッコ・フランク、ユッカ・ペッカ・サラステらと名前を挙げていくときりがないほど。フィンランド出身の指揮者は、自分でも作曲を行う人が多く、楽曲に対する体系的な分析力に秀でている。そうした中でオラモは、オーケストラのコンサートマスターから指揮者に転じ、あのサイモン・ラトルの後継者としてバーミンガム市響の音楽監督となり、英国を中心にキャリアを築いてきた人で、他のフィンランドの指揮者たちとは一線を画すキャラクターの持ち主。そのため自分の解釈を前面に打ち出すのではなく、ラトルと同じようにオケのメンバーと一緒になって音楽を作り上げていこうとの姿勢が際立つ指揮ぶりだった。それが、このオーケストラが持つ穏やかな調和を保ったアンサンブルに一層の親密さを持たせるプラス効果を生み出していた」とコンシェルジェは分析してくれました。

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2010年2月27日のニュース