日本勢W受賞!加藤監督も短編アニメ賞獲得

[ 2009年2月24日 06:00 ]

22日、米アカデミー賞の短編アニメ賞を受賞し、あいさつする「つみきのいえ」の加藤久仁生監督

 【アカデミー賞授賞式】授賞式が始まってから30分もたたないうちに、日本に1つ目のオスカーがもたらされた。日本時間午前11時10分すぎ、「つみきのいえ」の加藤久仁生監督(31)が、日本作品で初めて短編アニメ賞を獲得。2時間後に「おくりびと」が受賞し、54年(26回)の「地獄門」以来、54年ぶりに日本勢が2部門受賞の快挙となった。

 加藤監督は壇上でオスカー像を手渡されると、両手でしっかりと握り「ソー・ヘビー」と重みを確かめて感慨深げ。「サンキュー・ペンシル」と製作で使う鉛筆にも感謝。また、映像製作プロダクション「ロボット」に所属していることから、80年代に米バンド「スティクス」がヒットさせた曲「ミスター・ロボット」の日本語の歌詞に引っかけ「どもありがと。ミスター、ロボット」とあいさつし、笑いを誘った。

 映画は約12分間のアニメで、水没しつつある町で1人で暮らす老人が家族との思い出に浸る内容。初の劇場公開作ながらフランス・アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞受賞など今回で国内外20冠。25日、都内で凱旋会見に臨む。既にDVD化され、この日の受賞後から各地のレンタル店で貸し出し中で品薄状態の店が相次いだ。

 ◆加藤 久仁生(かとう・くにお)1977年(昭52)、鹿児島県生まれの31歳。多摩美術大在学中にアニメの自主製作を始め、「ロボット」に入社。インターネット向け作品「或る旅人の日記」(03年)、NHK「みんなのうた」の「セルの恋」(05年)、携帯配信動画「R」(06年)など、さまざまなメディアでアニメを手掛ける。

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2009年2月24日のニュース