ヤクルトドラ1・松下歩叶 受け継ぐ楽天・鈴木大地のキャプテンシー リーダーとしての高い資質に期待

[ 2025年11月15日 15:30 ]

ヤクルトから1位指名された法大・松下
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 ヤクルトが今年のドラフト会議で1位指名したのは松下歩叶内野手(22=法大)だった。最大の補強ポイントだった強打の内野手の単独指名に成功し、青木宣親GM特別補佐は「プレーを見ていて、何とかしようという気持ち、諦めない気持ちが出ていた。人間的な部分がプレーに出る選手は、そうはいない。ゆくゆくはチームを引っ張る存在になってほしい。そういう思いで指名させてもらった」と大きな期待を口にする。

 中学時代は静岡裾野リトルシニアでプレーし、神奈川の強豪校・桐蔭学園に進学した。法大では主将を務め、大学日本代表でもキャプテンとしてチームのまとめ役を担った。経歴を見直して気付いたのが、楽天・鈴木大地内野手(36)との共通点の多さだった。

 鈴木大も静岡裾野シニアから桐蔭学園に進み、東洋大と大学日本代表でともに主将の大役を務めた。ドラフト会議の直後に話す機会があり「ドラフト、テレビで見てました。松下君、僕の後輩ですよ。オフの桐蔭学園の集まりで会った時にあいさつをしてもらったことを覚えています。1位は凄いこと。頑張ってほしいですね」とうれしそうだった。松下にも鈴木大のことを聞いてみると、偉大な先輩として憧れを抱いており「早くグラウンドで会って、改めてあいさつをさせてもらいたい」と目を輝かせていた。

 球界屈指のキャプテンシーの持ち主として知られ、3度のベストナイン、2度のゴールデン・グラブ賞受賞など実績を積み上げてきた鈴木大が、後輩に伝えたいことがある。

 「何があっても、ぶれずにやり抜くこと。凄い選手がたくさんいる世界で、それを貫くことは本当に大変なこと。自分の良さを見失ってプロの世界から去っていった選手はたくさん見てきたから」

 夢のある世界だが、それ以上に厳しい世界でもある。毎年多くの若者がプロの世界に飛び込んでくるということは、その分だけ去る人がいるということ。NPBが実施している「戦力外/現役引退選手の進路調査結果」によると、2024年は平均年齢が26・3歳で、6・3年(外国人選手ならびに同一球団内での育成再契約選手を除く157人が対象)だった。俗に言う「息の長い選手」はほんの一握りしかおらず、競争を勝ち抜いた猛者たちは必ず“ぶれない何か”を持っている。

 ヤクルトは野球の技術だけで松下を「ドラ1」という最上級の評価をしたわけではない。チームリーダーとしての高い資質に期待を寄せている。そこも鈴木大と似ている点だ。

 かつてロッテで担当スカウトだった山下徳人氏(現BC栃木監督)が「あの年のドラフトは内野手の指名候補は他にもいたんだよ。でも、大地は必ずチームにとってプレー以外でも欠かせない存在になる。そう信じて球団に猛プッシュしたんだよ」と話していたのを思い出す。

 松下がプロの世界でどのようなプレーヤーになり、どのようなリーダーになっていくのか。楽しみでならない。(記者コラム・重光 晋太郎)

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