阪神・大山 先発復帰で復調気配マルチ安打 球団生え抜き最速タイの8年目500打点あと「2」

[ 2024年5月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-4ヤクルト ( 2024年5月17日    甲子園 )

<神・ヤ>6回、大山は適時打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 阪神・大山悠輔内野手(29)が、女性ファン向けの「TORACO DAY」として開催された17日ヤクルト戦(甲子園)で11試合ぶりのマルチ安打をマークした。2試合ぶりに先発復帰し、2回先頭で18打席ぶりの左前打。0―4の6回2死一、二塁では右前適時打し、23打席ぶりの打点を生んだ。球団生え抜き最速タイとなる入団8年目での通算500打点にあと「2」と迫り、虎の大黒柱が確かな復調気配を漂わせた。

 美しく弧を描くアーチでもなければ、低く鋭いライナーでもない。それでもいい。甲子園のスコアボードに光る「H」のランプが、大山にとって何よりの良薬だ。

 11日DeNA戦(横浜)の第2打席から迷い込んだ、長く暗いトンネル。連続無安打の打席は「17」を数え、過去3度ある自己ワースト「19」が目前に迫った。前日16日の中日戦(バンテリンドーム)では、岡田政権では初となる先発落ち。ありとあらゆる負の連鎖を、意地の一打で断ち切った。

 「(安打が)2本出たことは個人的にはプラスにしたいですけど、やっぱり試合に勝つことなので。それに向けて頑張ります」

 2回先頭で巡った第1打席だ。吉村の初球カットボールを叩き、三遊間を破った。聖地を揺らす大歓声に奮い立ち、0―4の6回にはようやく4番の仕事を果たす。敵のミスに乗じた2死一、二塁で、カウント2―2から150キロの内角直球を詰まりながらも右前へ。「1点ずつ返していけば、まだわからない」。吉村を降板させ、糸原の連続適時打を呼ぶ泥くさい一打だった。

 2安打するのは、2本塁打した3日巨人戦(東京ドーム)以来、11試合ぶり。主砲の復調を、首を長くして待っていた岡田監督も胸をなで下ろした。「もう出るやろ、そら」とうなずく一方、日々試行錯誤を続け、状態向上へと歩み続けた背番号3の姿勢を称えた。

 「ちゃんと早よ来て、室内で打ってたりしたら、ちゃんとええ結果が出るよ。そら本人が一番苦しんでると思うよ、ヒット出えへんのは。でも、やることちゃんとやってたら、やっぱり出るやん」

 節目の記録も近づく。この日の打点で通算498打点となり、同500打点まであと「2」。大台到達なら球団の生え抜き選手では13人目の快挙で、入団8年目での到達は球団の生え抜き選手としては最速タイだ。重ねた努力と鍛錬はウソをつかない。分厚い壁を打ち破った先に、まぶしいレジェンドの背中が見える。

 今カードは女性ファンが多く集う「TORACO DAY」。四方八方から黄色い声援が飛び、カラフルに彩られた聖地のど真ん中で、大山が華麗に完全復活の時を迎える。(八木 勇磨)

 《生え抜き8年目》大山(神)が6回、3日の巨人戦以来11試合ぶりマルチ安打となる右前適時打で、10日のDeNA戦以来6試合ぶりの打点をマーク。通算498打点目で、500打点の大台へあと2とした。阪神生え抜き選手の通算500打点は、12年の鳥谷敬まで過去12人が到達。プロ8年目の大山が到達すれば、76年の田淵幸一、81年の掛布雅之、87年の岡田彰布に並ぶ最速記録になる。

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