日本ハム・北山 プロ初完投初完封!“投げる教授”がチームを単独2位に押し上げた

[ 2024年4月21日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム2―0ロッテ ( 2024年4月20日    エスコンF )

<日・ロ>5回、ポランコを左飛に打ち取る北山(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハムの北山亘基投手(25)が20日、ロッテ戦で4安打7三振を奪ってプロ初完投初完封勝利を挙げた。21年ドラフト8位が、今季チーム完封一番乗り。研究熱心なことから「教授」と呼ばれる3年目右腕が、チームを今季初の3連勝に導き、12日以来8日ぶりの単独2位に押し上げた。

 愛称は「教授」。北山は、野球に取り組む姿勢やトレーニングなどに研究熱心なことからチーム内で定着した。冷静に相手と状況を分析し、プロ初完投初完封の結果にたどり着いた。

 「僕がプロに入る上での一つの目標が、9回まで1人で投げ切る投手になることだった。それを一回、達成できたのは凄くうれしい」

 ここまでプロ最長イニングは昨年2度あった7回。それでもスタミナを考え、完投への最適解を導き出した。初回は最速154キロだった直球を、7回には140キロ台後半まで抑えて3者凡退。状況に応じ強弱を付けた。余力を残した9回2死からは、角中に全力投球。152キロの直球で空振り三振に仕留めた。「三振を狙いたかった。最後、三振で抑えたらカッコいいので」。プロ最多116球で4安打、7奪三振で最後までマウンドを守り抜いた。

 教授と呼ばれる右腕。普段から読書に親しみ、一昨年オフには神奈川県内の僧侶の元を訪れて座禅修行を行うなど、独自路線を貫く。フォーム研究にも熱心。ドジャース・山本を指導したトレーナーに1年目のオフから師事し、やり投げトレなど山本と同じ練習を重ね、今季は左足をすり足気味に踏み出す“由伸風フォーム”で躍進を目指す。

 21年ドラフト8位。支配下では全体の最後から2番目となる76番目の指名だった。1年目の22年は就任1年目の新庄監督が、開幕投手に抜てき。先発はその1試合のみで54試合に救援登板で、先発転向した昨年は6勝5敗に終わった。今季はここまで3試合で2勝負けなし、防御率1・71と好調をキープする。

 チームは今季初の3連勝で単独2位に浮上。「継続性の中で順調に来ているし、もっと良くなっていく」。今季目標に「ファイターズのエース」を掲げた“投げる教授”の理想はまだ先にある。(田中 健人)

 ◇北山 亘基(きたやま・こうき)1999年(平11)4月10日生まれ、京都府出身の25歳。京都成章ではエース兼主将として3年夏に甲子園出場。京産大では4年春に関西六大学リーグで最優秀投手に輝いた。21年ドラフト8位で日本ハム入団。22年3月25日のソフトバンクとの開幕戦でプロ初登板初先発し、同年はチーム最多の55試合に登板。昨季は14試合で6勝5敗、防御率3.41。1メートル82、82キロ。右投げ右打ち。

 ≪球団では加藤貴以来≫北山(日)がプロ初完投初完封。今季の完封勝利は今月5日オリックス戦での小島(ロ)に次いで2人目。日本ハムで初完投が完封だったのは21年10月18日楽天戦の加藤貴以来となった。また、日本ハムは13日以来の2位浮上。15試合以上を消化しての2位以上は19年8月10日(2位)以来5年ぶりだ。

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