能登の球児が甲子園見学 羽咋工・岡主将「震災で苦しい思い」も「より一層野球と向き合えた」

[ 2024年3月23日 14:38 ]

甲子園球場を見学した能登地方加盟校部員(撮影・大城 有生希)
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 能登地方の13校、178人の指導者・野球部員が甲子園歴史館を見学後に聖地のグラウンドに立った。本来ならアルプス席で石川県勢の2試合を見る予定だったが変更に。バックネット前に整列して校歌を歌う学校や指導者を胴上げする学校が出現するなど、思い思いに聖地での思い出をつくった。

 羽咋工・岡羚音(れおん)主将は「残念なことに試合が雨で中止になったが、甲子園の歴史を学ぶことができたり、こうやって甲子園の中にも入らせていただいた。自分たちは震災で苦しい思いをしたけれども、より一層野球と向き合えた」と語る。

 穴水高・東野魁仁(かいし)主将は「穴水町は水が出ていないところがまだある」と言うそんな中での甲子園来訪になったが石川県高野連・佐々木渉理事長は「今回の震災でたくさんの物資やお金の支援をいただきました。ただ、加盟校か『野球をやめたい』という下向きの声が上がってきた。とにかくみんなが“野球やろうぜ”っていうことで、羽咋工さんから航空高校を応援したいという声が出てきた。それなら“能登全体でやろうぜ”ということで今回に至りました」と経緯を説明する。

 順延になった試合は3、4校が残って応援することに。震災の傷はまだ癒えないが能登の球児は野球を通して前を向く。

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