関本賢太郎氏 タイミングが取れない阪神・森下 ストライクが見極められるまで、じっくり待つ勇気も必要

[ 2023年9月30日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―5DeNA ( 2023年9月29日    横浜 )

関本賢太郎氏
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 【関本賢太郎 視点】優勝を決めてから、阪神の打線が湿っているのは事実だ。だが、どんなチームだって波というものはある。CSファイナルステージまでの時間を考えると、現状の低調さが「このままではあかん」と火をつける要素になるはず。そうならないといけない。

 個々に見ていけば、決して悲観する必要はないと感じた。大山の本塁打は見事だし、連続二塁打を含む3安打の佐藤輝もいい感じで打てている。近本の3安打も明るい材料。下位打線のつながりから犠飛で得点したのも阪神が得意とするパターンだった。

 これから打ち込みと実戦を繰り返しながら、個々の調子の波と、チームとしての波をうまく合わせて、ピークに持っていく。多少ずれている感覚を取り戻す方法はそれぞれが持っているはず。慌ててはいけない。

 ただ、その経験が少ない1年目の森下が心配だ。5回無死満塁で空振り三振。悔しいし、恥ずかしいし、情けない。気持ちは分かるが、泣く前にすることがある。酷な表現をするが、それがプロの世界だ。この壁は自分で乗り越えるしかない。

 感情が出てしまうのは、グラウンドでの結果に一喜一憂しているからだ。打席に入るのが怖いと思っているだろう。でも、それはみんなが通った道。自分の状態を見極め、悪いなら悪いなりに何が自分にできるか考えないと進歩はない。技術的にはタイミングが取れずに右肩が前に出るから、バットは空を切っている。ストライクが見極められるまで、じっくり待つ勇気も時には必要だ。(スポニチ本紙評論家)

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