担当記者が見た金子千尋という男 「唯一無二」の投球術を持つ野球の求道者

[ 2022年12月23日 01:45 ]

日本ハム・金子千尋投手 今季限りで現役引退

オリックス時代の16年、通算100勝を挙げお立ち台でポーズをとる(左から)勝利打点のT-岡田、金子千尋投手、球団マスコットのバファローブル
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 【金子千尋という男】ひと言で表すなら野球の求道者だ。卓越した投球術は球界屈指。パドレス・ダルビッシュが「唯一無二」と評した右腕は「スピードで抑えて、ファンの方を魅了するタイプではない。投球術や“何であの球で打者が打ち取られるんだろう”という不思議な感覚を僕に持ってほしい」と語ったことがある。相手を見てタイミングを外すことを重要視。「自分の理想を追い求めるのも大事だけど、そこにとらわれすぎると自滅してしまう」と相手ありきの投球を心掛け、打者を幻惑してきた。

 口数こそ多くないものの「孤高、クールなイメージは切り取られ方」と笑う。ブルペンでは後輩にいたずらを仕掛けるおちゃめな一面も。一方で千葉・鎌ケ谷の2軍施設で、1軍昇格の声がかからない時期でも、腐ることなく黙々と調整を重ねてきた。金子の魂は間違いなく日本ハム投手陣の財産として受け継がれていくはずだ。(日本ハム担当・東尾 洋樹)

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2022年12月23日のニュース