広島のお家芸「機動力野球」どこへ…球団最少26盗塁 28年ぶり成功より失敗多く

[ 2022年12月23日 05:00 ]

今季は球団最少の26盗塁だった広島

 【データで振り返る22年12球団記録レビュー】お家芸の機動力野球はどこへ行ったのか。広島のシーズン26盗塁は球団最少で、2リーグ制以降では04年の巨人(25盗塁)に次ぐ少なさ。個人最多は野間の7で、05年(尾形佳紀)と21年(鈴木誠也ら3人)の9を下回った。盗塁死は29個。成功より失敗が多いのは94年の阪神以来、28年ぶりの珍事だ。4月23日から5月11日にかけては盗塁企図(盗塁と盗塁死の合計)が15試合連続でなかったが、76年9月の12試合を上回り球団最長だった。

 対戦相手には走られすぎた。捕手陣が86盗塁を許すのは、新井新監督が生まれた1977年(92許盗塁)以来45年ぶり。盗塁阻止率・204も球団で3番目に低い。先発マスクは会沢の79試合を筆頭に球団最多7人だったことが混迷を示す。打力を買われて内野との併用だった坂倉は、来季は捕手に専念。課題とされるリードや送球面で成長し、試合に出続けるようならチーム力アップが見込める。

 新井監督は就任時に「カープの伝統はグラウンドを走り回る野球」と話した。秋季練習でも走塁に力を入れ、リーグ最多95盗塁だった18年への回帰を狙う。指揮官同様に16~18年のリーグ3連覇を選手として知る石原バッテリーコーチも就任。“ホシュ”から革新に転じるか、首脳陣の手腕に期待したい。(記録担当・石丸 泰士)

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2022年12月23日のニュース