阪神・才木、もう涙なし笑顔のお立ち台「最高です」 ツバメ斬りで1186日ぶり甲子園で勝った

[ 2022年7月31日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神7―3ヤクルト ( 2022年7月30日    甲子園 )

<神・ヤ>力投する先発の才木(撮影・椎名 航)
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 おかえり!阪神・才木浩人投手(23)が30日のヤクルト戦に先発し、6回4安打2失点で2勝目。本拠地・甲子園では実に19年5月1日以来、1186日ぶりとなる勝利を飾った。投打の歯車がかみ合い、7―3と完勝したチームは08年以来14年ぶりとなるシーズン4度目の5連勝で貯金2。首位・ヤクルトと9ゲーム差とし、その背中に一歩近づいた。 

 7月3日、バンテリンドームでの復活勝利で見せた「涙の才木」はいなかった。この日、本拠地のお立ち台に立ったのは「笑顔の才木」だった。6回4安打2失点で2勝目。甲子園では19年5月1日の広島戦以来、1186日ぶりの勝利だ。晴れやかな表情に、充実感を漂わせた。

 「(甲子園での勝利は)最高です。阪神ファンに埋めつくされた中で投げられて、気持ちよかった」

 信念を曲げずに『強気』に攻めた。入団当初から大切にしてきたその言葉は、グラブに刺しゅうしてある。加えてマウンド上でも自ら言い聞かせながら、打者に向かう。この日も、そうだった。

 「特にピンチの時、開き直って攻めていく姿勢は持っておきたいなと思っている。“逃げちゃダメだ”と言い聞かせています」

 無走者の時は、直球主体の真っ向勝負を挑み、2回まで「0」を並べた。そしてピンチでは、変化球を織り交ぜつつ、いっそう果敢に攻めた。0―0の3回1死二、三塁。まずは塩見をフォークで三ゴロに仕留めた。続く山崎には初球にカーブを投じて意表を突き、その後はフォークを2球続けて3球三振。苦しい状況だからこそ、勇気を持って全力で腕を振った。6回に村上に2ランを被弾も、強力打線相手に先発の役割を果たした。

 「リハビリでボールを投げ始めた頃の握力は60キロぐらいまで戻っていた。もともと70キロあるので(笑い)。術後は指先や握る感覚の部分(を取り戻す目的)で時間があればボールを握っていた」

 もともとリンゴを握りつぶせるぐらいの握力があり、それが持ち味の一つだった。ただ20年11月に右肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた影響もあり、握力の低下は避けられないと覚悟していた。だがうれしい誤算と言っていいのか、術後2、3カ月で予想を超える回復が見られた。一筋の明るい光がともった瞬間だった。だからこそ何にでも前向きに取り組み、早期復活につなげることができた。

 「ここから勝ち上がって、絶対に逆転して優勝して、日本一になれるように頑張っていきたい」。巻き返しの後半戦へ、背番号35は高みだけを見据えた。(長谷川 凡記)

 《来月2日にも自力V復活》阪神が連勝でヤクルト3連戦の勝ち越しを決め、7月1~3日の中日戦からは8カード連続負け越しなしの快進撃。7月4日には今季最大の17ゲーム差をつけられていたヤクルトとの差を9ゲームまで縮め来月2日にも自力V復活の可能性が出てきた。条件は阪神が31日のヤクルト戦に勝ち、2日の巨人戦に○の場合は、ヤクルトが同日の中日戦に△か●。2日の巨人戦に△でもヤクルトが●なら、6月8日以来約2カ月ぶりの自力V復活となるがどうか。

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