桐蔭 33年ぶり準V、伝統の誇り智弁和歌山にぶつけた 先発・高野「あっという間の3年間」
第104回全国高校野球選手権和歌山大会・決勝 桐蔭2―7智弁和歌山 ( 2022年7月29日 紀三井寺 )
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36年ぶりの夏の甲子園出場を狙った桐蔭は智弁和歌山のパワーの前に散った。33年ぶりの準優勝を祝うように、桐蔭の涙を洗うように、試合終了の直前直後の数分間、雨が降った。
猛打の智弁和歌山相手によくしのいだ。7回終了時点で1―2と1点差で食らいついた。「接戦で終盤勝負になれば――」という、番狂わせのプラン通りの展開だった。
「調子は良かった。いけるところまでいく、と監督さんと話していた」と、先発右腕、背番号「5」の高野東我(とわ=3年)が再三のピンチにも粘り強く投げた。5回まで毎回安打を浴びながら失点は2回表、青山達史(2年)に浴びたソロ本塁打の1点だけだった。
守備陣も1回表無死一、二塁では中堅・西哲希(3年)が中前のライナー性飛球を好捕。4回表1死一、二塁では二塁封殺の直後、二塁手・有本健亮(3年)が好判断で三塁送球して、挟殺した。いずれも併殺でしのいだ。
試合前、矢野健太郎監督(32)が「失点はしても、その次(の失点)を防ぎたい。全員で守って、最少失点で切り抜け、勝機を見いだしたい」と話していた通りの好守備だった。
6回表に渡部海(3年)に左中間ソロを浴びた後も1死満塁を無失点でしのいだ。
智弁和歌山・中谷仁監督(43)が試合後「苦しい展開だった」と話したのは本音だろう。「桐蔭さんのバッテリーを中心とした守り。堅い守備と巧みな配球で思うような攻撃ができなかった」
打線は7回裏、2安打の1死一、三塁から原田忠武(3年)が右前に運び1点差に迫った(一塁走者二封で記録は右翼ゴロ)。バス7台で詰めかけた三塁側応援席が沸き返った。
だが、8回表には投手の塩路柊季(3年)の2ランに連続長打を浴びて高野降板となった。救援した背番号「1」の左腕・寺田祐太(3年)も渡部に2打席連続となる本塁打を浴びた。
それでも寺田は試合後「あのホームランは力負けでした」と脱帽した後、「同じ高校生。頭を使って投げれば抑えられると感じた」と強気に話した。
むろん、相手の強さを認めたうえで、桐蔭は本気で勝ちにいっていた。何しろ、チームの目標は「甲子園で勝つこと」と定めていた。智弁和歌山と力量差があるのはわかっていた。ただ矢野監督は「強敵ですが、甲子園に出る智弁和歌山のようなチームに勝たないと目標は達成できない。勝ちに行きます」と前を向いていた。
監督は寝る間も惜しんでビデオを繰り返し見た。投手陣は事前研究で相手打者それぞれの弱点を突き、打者陣は相手エース・塩路柊季(3年)のシュート気味速球への対応を練っていた。その成果は出たのではないか。
昨秋は準々決勝で市和歌山に0―3、今春は1回戦で和歌山南陵に4―5。「結果は出ていませんでしたが、コツコツ、コツコツ練習を積んできました。この夏は、その成果が出てきていた」。平日は午後4時まで授業があり、練習は放課後約3時間。制約のあるなか、自主練習などで補ってきた。
高野は「練習時間は短かったが、みんな、それぞれが工夫していた。あっという間の3年間だった」と振り返った。
中学時代、硬式野球の和歌山ボーイズ・キングタイガースに所属。高校進学時、いわゆる強豪私学数校から誘いがあるなか、「勉強もやって、文武両道でがんばれるから」と桐蔭受験を決めた。今後は「大学でも野球を続けます。今日の試合はその糧になると思う」と前を向いた。応援席には野球部OB会寄贈の「文武両道の輝き」の横断幕が掲げられていた。
前身の旧制・和歌山中は春夏3度の全国優勝。1915(大正4)年の夏第1回大会から欠かさず予選(地方大会)に出場する全国15校の「皆勤校」の1校だ。
今年は伝統を意識するできごとが相次いだ。3月に1921(大正10)年に対戦したカナダの日系人野球チーム、バンクーバー朝日とのオンライン交流イベントがあった。今月19日には昭和天皇が皇太子時代、初めて野球を観戦したスタンド付きの母校グラウンドが「野球の聖地・名所150選」に選ばれた。
伝統の誇りと、一方にある重みを背追いながら戦い抜いた。胸の晴れる日々だった。 (内田 雅也)
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