広島球団4500勝達成!完封の大瀬良「みんなが笑顔で引き返してきた」、チームの連敗ストップ喜ぶ

[ 2022年4月30日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-0中日 ( 2022年4月29日    バンテリンD )

<中・広>完封勝利を挙げ、マクブルーム(右)と笑顔でタッチする大瀬良(撮影・椎名 航)
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 広島・大瀬良大地投手(30)が29日の中日戦で、昨年10月28日のDeNA戦以来となる通算5度目の完封勝利を挙げた。無四球完封は19年8月2日の阪神戦以来2度目。被安打2、117球にまとめる快投だった。球団通算4500勝となる節目のマウンドを一人で守り抜いて、巨人・メルセデスに並ぶリーグトップタイの4勝目とした。

 開幕からの1カ月間で味わった悔しさを全て晴らした。大瀬良が今季唯一、黒星を喫したのがバンテリンドーム。また、前回22日のDeNA戦では完封目前の9回に失点して交代していた。「ここで逆転負けをしていた。(2連敗だった)チームの流れも止めないといけない試合。勝ててよかった」。前夜の1イニング9失点で逆転負けしたチームの重苦しい雰囲気まで一人で取っ払った。

 本人は「いいときは(変化球が)多かったと言われるんです」と笑う。それは多彩な変化球を思い通りに操れている証だろう。1巡目はカットボール中心に組み立て、徐々にカーブ、フォークなどを織り交ぜて惑わせた。女房役の会沢が6回の守備から負傷交代する事態にも動じない。今春のオープン戦で一度しかバッテリーを組んでいない坂倉がマスクをかぶった6回以降も無安打。安定感は変わらなかった。

 「ある程度、ほしいアウトの取り方が多かったので、今日のような結果になったのかなと思います」

 前回登板で135球を投げ、今回は117球で完封したように今季の体は万全だ。20年9月に右肘を手術し、昨季4月は故障で一時離脱。「体の構造とか投球のメカニックを知らないと長く野球をやれないな…と思った。そこから勉強するようになった」。球団トレーナーだけでなく理学療法士にも「ここが硬くなったのは、どの動きで負荷がかかっていたのですか?」と質問をぶつけ、自分の体を隅々まで理解しようとしている。

 今春キャンプでは高卒2年目の小林に伝えた。「俺はいまの年齢になって、ようやく分かったことがある。いまのうちに勉強できることがあるなら、全てやっておいた方がいいよ」。今年で31歳。まだ故障を知らない11学年下の後輩への助言は「難しいことかもしれないけど、いまの彼の頭に入れておくだけでも違うと思う」という思いやりからだった。

 4勝目はリーグトップタイだ。「みんなが笑顔で引き返してきた。昨日のようなこと(逆転負け)は、1年間もやっていればあり得ること。みんなで力を合わせていきたい」。大瀬良らしく、完封よりもチームの連敗ストップを喜んでいた。(河合 洋介)

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2022年4月30日のニュース