楽天の風使い・マー君が威風堂々7回1失点 ZOZOマリンの最大風速19メートルでも「取捨選択」

[ 2022年4月27日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天3―2ロッテ ( 2022年4月26日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>強風の中、投げる田中将(撮影・長久保 豊)
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 「風使い」になって長いキャリアの中で初めて経験する過酷な環境にアジャストした。最大19メートルの強風が吹き荒れるZOZOマリン。先発マウンドに上がった楽天・田中将も「“過去イチ”の風。計算できないですね。だいたいでしか分からなかった」と振り返るほど、未知の環境下での投球となった。

 初回は先頭から2連続四球。2回には3度も帽子が後方に飛ばされた。何度もマウンドで苦笑いを浮かべたが集中は切らさない。バランス重視で走者がいない場面でもセットポジションで投球するなどし、少しずつ「傾向」をつかんでいった。

 「球がたれるところ、吹き上がるところ、そのままいくところが存在していた。各球種がどういう動きをするのか。取捨選択しながら投げた」

 直球にスライダー、カーブ、カットボール、スプリット、ツーシーム、スプリットチェンジと全球種を丁寧に投げ込み、変化量を確認。「集めたデータを頭に入れて投げ、回を追うごとにまとまった」と胸を張る。7回までに106球を投じて3安打1失点。風の影響を受けにくい9個の三振と、6個のゴロでアウトを積み上げた。

 2番手のブセニッツが8回に同点とされて自身の3勝目の権利は消えたが、チームは延長10回に勝ち越して今季初の連敗を回避。首位を堅守した。「7回まで最少失点でいけた。チームに勝つチャンスを残しながら投げることができた」と田中将。ベテランらしい熟練の投球が、チームに勝利を呼び込んだ。(重光 晋太郎)

 ▽マリンスタジアムと強風 球場と海までの距離が約150メートルと近く、中堅、もしくは左翼側から本塁に向かって強い海風が吹くことが多い。パ・リーグは強風での試合中止が過去に5度あるが、その全てがマリンスタジアム。95年4月23日のオリックス戦では最大瞬間風速37.5メートルを記録して中止となった。一方、最近では20年7月7日の西武戦で風速17メートルを記録しながらも、試合開催され、バックネットで跳ね返った風に乗って、安田が右翼席へ2ランを放っている。

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