新庄ビッグボス 1軍BIG組初指導で珍トレ3発「フラフープ」「バーチャル」「笑顔投球指令」

[ 2022年2月3日 05:30 ]

<日本ハム名護キャンプ>ブルペンで笑顔で話す堀(左)と新庄監督(撮影・沢田 明徳)
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 日本ハムの新庄剛志監督(50)は2日、自らが理想とする野球を植え付けるため、選手に3つの珍練習を課した。キャンプ2日目で初めてBIG組(1軍)を指導し、(1)直径70センチのフラフープを通しての遠投(2)高性能バーチャル打撃マシンでの打撃練習(3)笑顔での投球練習――を導入。独自の理論に基づいた練習法で、3年連続5位に沈むチームの立て直しを図っている。

 就任1年目を「トライアウト(期間)」と表現する新庄監督が、可能性のある選手を見極める練習法を取り入れた。珍しい練習にナインも興味津々。その姿を目にし、指導者としての喜びに浸った。

 「(遠投では)5人ぐらい面白いのがいた。守備が好きだったから、ああいうのを体験するとウキウキというか、楽しくなってきた。あとは打撃。“練習で試合のように振れ”と言って(選手が)振り出してから、打球の勢いが凄い、凄い。レベルが違う。後ろで見ていて、めちゃくちゃうれしくなった」

 まずは沖縄入りの際に予告していたフラフープを使った遠投だ。昨秋キャンプでは高さ約3メートルの位置の高さの棒より「低く、強い」送球を求めたが、今回は直径70センチのフラフープの中を通す「低く、強く、正確」な送球を要求。しかも、輪の端でも通ればいいのではなく、目標は真ん中のみ。輪の端を通る球では本来のターゲットとなる65メートル地点に達する時にはズレが生じるためで、ピンポイントを求めた。目標地点を越えた五十幡、野村、郡、古川裕、ドラフト9位・上川畑(NTT東日本)の送球にはOKサインを出した。

 次は約500万円のバーチャル打撃マシンの導入だ。投手の映像を投影でき、15種類のスピード、球の変化量を変えてランダムに投球できる。当初はメジャー通算303勝左腕のランディ・ジョンソン、同219勝右腕のペドロ・マルティネスの映像を希望したが肖像権の問題で使えず、阪神・藤浪を選択。新庄監督は「藤浪君は(荒れ球で)いろんなところにいく投手。藤浪君を打てたら誰でも怖くないだろう」と狙いを語った。

 3つ目は新庄野球には欠かせない楽しむ心。ブルペンで投球練習を行う昨季最優秀中継ぎ投手の左腕・堀には、表情が硬く見えたのか「笑いながら投げてみて」と求めた。堀は「変に力が入り過ぎず、リラックスして投げられるのがメリット」と効果を口にした。

 2軍視察の初日は「練習のための練習」と苦言も呈したが、「今日はいい一日」と総括した。長丁場のキャンプはまだ始まったばかり。新庄流の改革は、まだまだ続きそうだ。(東尾 洋樹)

 ▽新庄監督の昨季秋季キャンプでのユニーク練習 11月8~10日の3日間、沖縄・国頭秋季キャンプを視察。遠投練習では白いワンボックスカーをグラウンドに入れて屋根に上がるとスタッフにバーを持たせ、バーよりも下へのスローを指示。「高い球は試合で使わない」と、投げる高さを制限した。バント練習では自ら打席に入って球速を確認。「もっと速く。マックス」と速い球にこだわり、「(速い球だと)形にこだわらずボールに集中するから意味がある」と話した。

 ▼阪神・藤浪(日本ハムがバーチャル打撃マシンで起用したと、ネットニュースで)見ました。だから、何ですか…と(笑い)。

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