広島・菊池涼 鉄壁二遊間結成へ 小園に併殺の極意「体全体を使って」みっちり75分指導

[ 2022年2月3日 05:30 ]

<広島キャンプ>サブグラウンドで菊池涼(左)の指導を受ける小園(撮影・奥 調)
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 鉄壁の二遊間コンビ結成へ、広島が誇る名手がひと肌脱いだ。日南キャンプ第1クール2日目の2日、全体練習終了後の特守に菊池涼介内野手(31)が2日連続で参加。手本を示しながら、小園海斗内野手(21)に併殺の完成度を高めるための基本動作を75分間にわたってレクチャーした。若手にとっては貴重な時間であり、金言。成果が楽しみだ。

 午後3時。全体練習が終わり、個別の重点練習に移ると、菊池涼は新任の小窪内野守備走塁コーチとともに、天福球場の左翼後方にあるサブグラウンドに向かう。首脳陣が日替わりで指名する内野手の特守への参加。2日目は小園だった。名手は意図を説明する。

 「併殺を取るための基本動作ですよ。“ゲッツー取れたのにな”っていうのも昨季はあったしね。そういう意味で細かいところを詰めていきたいな…と」

 小窪コーチがノックバットで打つゴロを小園が捕球し、二塁ベース上の菊池涼へ送球を繰り返す。指導は丁寧で細かい。同コーチを交え、身ぶり手ぶりで話し合いながら1球ごとに確認。21歳の遊撃手は、昨季の反省を込めながら振り返る。

 「自分でも送球は悪いと感じていたし、昨季は助けてもらいながらだった。しっかりと投げることで、少しでも併殺を取れたらチームのためになる。濃い一日になりました」

 捕球後の下手トスに始まり、スナップスローにジャンピングスロー。菊池涼は模範を示して説明する。手先にばかり意識が行きがちで送球が安定しない小園に対し、打球への呼び込み動作がある名手の送球は上半身、下半身をうまく連動させているためブレにくい。

 「小手先じゃなく、体全体を使ってやろうという感じ。受け手にすればどういう送球が捕りやすいか、相手の立場になって考えてみようということ」

 小窪内野守備走塁コーチは「キクには助言をしてほしいと頼んでいる。(小園は)昨季は雑なところがあったと聞いたけど、捕り方はスゴく良くなっている。一緒にやって見習ってもらいたい」とコンビ熟成に期待する。

 初日は羽月にゴロ捕球の基本を指導し、2日目は小園。5日からの第2クールに入っても、菊池涼は「(特守は)全部付き合いますよ。メンバーが代わるしね」と意気込む。まずは鉄壁の二遊間コンビ結成へ。名手の存在感はサポート役としても高まるばかりだ。(江尾 卓也)

 《少なかった併殺参加》昨季の広島遊撃手の併殺参加回数は76で、阪神の74に次いで少ない。過去10年のセ遊撃手で個人併殺参加回数90以上は、12年井端(中=94)、13年鳥谷(神=98)、16年田中広(広=97)、坂本(巨=91)、17年京田(中=96)、田中広(広=91)と名手が並び、フルイニング出場を狙う小園が目標とする数字になりそうだ。

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