侍・栗山監督 キャンプ視察開始、WBCへ「世界一の極意」学ぶ 松坂氏、王会長、原監督と“共闘”

[ 2022年2月3日 05:30 ]

ソフトバンクキャンプを視察に訪れた侍ジャパン・栗山監督は取材で居合わせた松坂氏(左)と話す(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 世界一の経験者から力を借りる。侍ジャパンの栗山英樹監督(60)が2日、宮崎市でキャンプ視察をスタートさせ、巨人、オリックス、ソフトバンクのキャンプ地を訪問。来年3月に予定されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向け、WBC優勝監督であるソフトバンク・王貞治球団会長(81)、巨人・原辰徳監督(63)、2大会連続MVPの松坂大輔氏(41=スポニチ本紙評論家)に協力を求めた。

 視察初日の最後に訪れたソフトバンクキャンプでのこと。球場の正面で待っていた松坂氏のところへ駆け寄ると、栗山監督は言葉を交わし、両手を握りしめてこう言った。

 「これからも末永くよろしく」。その言葉に、来年3月の本番に懸ける思いが凝縮されていた。「(松坂氏の現役)引退が決まった後に、一回ゆっくり話を聞かせてくれと大輔には言っていた」

 聞きたいのは日本が連覇した第1回、第2回WBCで2大会連続のMVPに輝いた松坂氏の体験談だ。それもただの体験談ではない。シーズンイン前の3月、環境が異なる米国での戦い、球数制限もある中で、いかにして最高のパフォーマンスで世界一に貢献したのか。それが1年後の本番に生きてくる。この日は短い会話だけで終わったが、栗山監督の求めを伝え聞いた松坂氏も「僕に話せることがあるならいつでも」と呼応した。

 松坂氏と対面する前には、06年の第1回WBCの優勝監督で背番号89を受け継いだ王球団会長にあいさつ。「いよいよだね。大変だけど頑張って」と激励も受けた。巨人キャンプでは09年の第2回大会で日本を連覇に導いた原監督とも会談。王会長、原監督については「これから(来年の本番まで)ゆっくり話を聞きます」とした。特に聞きたいのは「備え」。世界一を懸けた一発勝負では、想定外のことが必ず起こる。そこで的確に判断し、決断するために、どれだけ備えられるか。経験者の言葉は貴重だ。

 選手選考という大仕事とともに、世界一へ向けて栗山監督自身の戦いも始まっている。(秋村 誠人)

 ≪3月5、6日台湾戦 若手中心でアマ選手選出も≫栗山監督は3月5、6日の台湾代表との強化試合のメンバーを若手中心とする方針を示した。「(今年3月の強化試合は)体が元気で、準備に無理のない若い選手の方が球界にとっていいと思う」と説明。コロナ下で調整が難しくなっていることも考慮した。さらに「3年後にプロ野球の中心選手になれそうな学生がいるなら、そこまで視野を広げて考えてもいいのかなと思う」と続け、台湾戦はアマ選手から選出する可能性も示唆した。

続きを表示

2022年2月3日のニュース