ロッテ・鳥谷 18年間毎日続けた「準備」 誇れるものは記録より「日々の生活」

[ 2021年12月30日 05:30 ]

惜別球人2021~パ・リーグ編

ロッテで2年間を過ごした鳥谷
Photo By スポニチ

 阪神で16年、ロッテで2年、計18年の現役生活。幕の下ろし方は、鳥谷らしかった。

 通算2099安打をマークし、歴代2位となる1939試合連続出場も成し遂げたレジェンド。だが、レギュラーシーズン終了翌日の10月31日に引退を発表し、引退試合&セレモニーもなかった。後日、会見だけを行い「相談は誰にもしなかった」と打ち明けた。

 数々の記録を打ち立ててきたが、誇れるものは「記録」よりも、「日々の生活」だという。「試合に出続けることは常に頭に置いてきた。2軍に落ちても、試合に出られなくても、毎日準備を怠らず、本当に辞める決断をする日までできた」。誰よりも早くグラウンドに来て、戦うための準備を入念に行った。スタープレーヤーとして数々の修羅場をくぐり、ここ数年は控えとして縁の下の役割も担った。そんな男だからこその言葉だった。

 今後は評論家として、グラウンド外から野球を学んでいくが、野球以外にも興味を示す。「当然、野球に恩返ししたい気持ちはある。ある程度野球に携わりながら、自分の新しくやりたいことを探していきたい」とこれまでと違ったチャレンジの可能性も口にした。指導者として、再びユニホームを着る日に向けた鳥谷流の準備に入った。(横市 勇)

 ◇鳥谷 敬(とりたに・たかし)1981年(昭56)6月26日生まれ、東京都出身の40歳。聖望学園(埼玉)3年夏に甲子園出場。早大では2年春に3冠王獲得。03年にドラフト自由枠で阪神入り。19年8月に翌年の構想外を通告されオフに退団。20年3月にロッテ入り。1メートル80、79キロ。右投げ左打ち。 

続きを表示

この記事のフォト

2021年12月30日のニュース