ロッテの“青鬼”マーティンが楽天退治弾 髪も道具もラッキーカラーに染め上げ「優勝」宣言

[ 2021年11月8日 05:30 ]

パCSファーストS第2戦   ロッテ4-4楽天 ( 2021年11月7日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>7回2死、ソロ本塁打を放ちエチェバリアとパフォーマンスするマーティン(撮影・白鳥 佳樹)
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 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)は7日、レギュラーシーズン2位のロッテが3位・楽天に4―4で規定により9回表終了コールドゲームで引き分け、対戦成績を1勝1分けとしてファイナルS進出を決めた。レオネス・マーティン外野手(33)が7回に貴重な同点ソロを放った。10日から始まるファイナルSではリーグ優勝したオリックスと対戦する。

 フルスイングしたマーティンは打球の行方を見つめた。薄暗くなった幕張の空から舞い降りた白球は、右翼席上段へ。ゆっくりと走りながら右手を突き上げた。

 「興奮した。これでいけるなという雰囲気になったし、自分のバットで(ファイナルS進出を)決めたことが一番大事だった」

 1点を追う7回2死で打席に入った。9月に自打球で右足甲を骨折。復帰後は空振りすると、踏ん張りきれずに何度も地面に膝をつく状況で出場が続く。「1点差、負けているので本塁打を狙うしかない」と一発だけを狙った。

 フォーク3球で3ボール。酒居の4球目のフォークにバットは空を斬った。5球目のフォークはファウル。そして、6球目。この打席で初めて来た内角直球に反応した。引き分け以上なら突破が決まる状況で、値千金の「決勝打」になった。

 「痛みと闘っているけど大丈夫。大事なことはチームのために何ができるか」。骨はまだくっついていない。チームも目標としてきたリーグ優勝を逃した。それでもファイティングポーズはやめない。

 「最後の方はオリックスがいいプレーをして勝ち続けて、オレたちが勝てなかった。今度は逆をやる。次のシリーズで、オリックスの優勝を阻止して、オレたちが優勝する」

 10日からは敵地でオリックスとファイナルSを戦う。井口監督も「我々が失うものはない。一丸となって戦って、ここに帰って来たい」と日本シリーズで本拠地に戻ってくることを誓った。

 マーティンはCS開幕前に髪を染めた。「最終戦が終わる頃、チームメートに“髪、染めるぞ”と話していた」。打撃手袋、レガースと同じラッキーカラーの青にした。自分で染めたことで、早くもまだらになってきたが、青鬼のごとく鬼気迫るスイングで、楽天に引導を渡した。

 かつて日本にはボブ・ホーナー(ヤクルト)、チャーリー・マニエル(近鉄)、ハル・ブリーデン(阪神)といった「赤鬼」がいた。球史に名を残す助っ人たちに負けない打棒。手負いの「青鬼」マーティンが、オリックスへの逆襲も果たす。(横市 勇)

 ≪パ初9回裏行わず≫2位のロッテが3位の楽天と引き分け、1勝1分けで15年以来6度目のファーストS突破を決めた。プレーオフ、CSでの引き分けは14年セCSファーストS第2戦の阪神対広島戦(0―0)以来4度目。引き分けでのステージ突破および、引き分け以上が確定し、最終回裏の攻撃を行わなかったケースは、いずれも前記の14年阪神以来2球団目でパ初だ。なお、パのプレーオフ、CSでファースト、ファイナル両ステージ突破のシリーズ進出は、04年西武、05、10年ロッテ、18、19年ソフトバンクとなっており、ロッテには3度目の下克上に期待がかかる。

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