ロッテ・山口“詠み”勝ちパCS最年少弾 「秋の夢 心はひとつ 日本一」

[ 2021年11月8日 05:30 ]

パCSファーストS第2戦   ロッテ4―4楽天 ( 2021年11月7日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>6回1死、ソロ本塁打を放つ山口(撮影・白鳥 佳樹)
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 努力は裏切らない。2―2の6回1死。ロッテ・山口が、安楽の直球をライナーで右翼席に叩き込んだ。「(大きいのを)狙わずに自分のスイングをしようと思った」と一時は勝ち越しとなる一撃。皮が「ベロッ」とむけた手のひらに最高の感触が残った。

 一日1000スイング。レギュラーシーズン終了2日後から、山口ら若手に課された数字だ。CS開幕まで連日振り続け、つぶれたマメの傷口がしみないように入浴の際は手袋を着用した。山口は「きつい練習だったけどこうやって結果が出た」と成果を実感した。

 21歳2カ月での本塁打は、昨季の同僚・安田を抜くパ・リーグCSの最年少記録。だが、この日は一発だけではなかった。1―2の4回1死一塁では岸のチェンジアップを左線に同点二塁打。2回の右翼守備で本塁送球がそれ、鈴木大の生還を許し「自分がしょうもない送球して先制されたので打つ方で何とかしたかった」。3安打2打点でステージ突破の原動力となった。

 フルスイングが身上だが「思うように振れなかった」と疲労が蓄積したシーズン終盤から10グラム軽い870グラムのバットを使う。本塁打は9本に終わったが「(今日のを)足して10本です」と笑った。

 昨年のCSは球団の寮でテレビ観戦。中学生のときに「おーいお茶 新俳句大賞」で佳作特別賞を受賞した山口は一句詠んだ。

 「秋の夢 心はひとつ 日本一」

 飛躍の一年はまだ続く。(君島 圭介)

 《安田先輩超えた》山口(ロ)がCS初本塁打を含む3安打。

 プレーオフ、CSの最年少本塁打は08年2S第2戦平田(中)の20歳7カ月で21歳2カ月の山口は年少2位。パでは20年1S第1戦安田(ロ)の21歳6カ月を抜く最年少記録になった。

 また、プレーオフ、CSの最年少猛打賞は20年1S第2戦藤原(ロ)の20歳6カ月。次いで05年プレーオフ2S第3戦西岡(ロ)の21歳2カ月となっており、こちらは年少2位タイ。

 ◇山口 航輝(やまぐち・こうき)2000年(平12)8月18日生まれ、大阪府出身の21歳。秋田・明桜(現ノースアジア大明桜)では投手として2年夏に吉田(現日本ハム)擁する金足農を秋田大会決勝で破り甲子園出場。3年夏の決勝でも金足農と再戦し敗れた。高校通算25本塁打。18年ドラフト4位でロッテ入団。3年目の今季1軍デビューし、78試合で打率.207、9本塁打、20打点。1メートル83、97キロ。右投げ右打ち。

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