巨人ドラ1・関西国際大の翁田 同じ変則右腕「ミスター完投」斎藤雅樹の後継者だ

[ 2021年10月18日 05:30 ]

阪神大学野球   関西国際大5ー1神戸国際大 ( 2021年10月17日    南港中央 )

<関西国際大・神戸国際大>7回から登板した翁田(撮影・平嶋 理子)  
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 巨人からドラフト1位指名を受けた関西国際大の翁田(おうた)大勢投手(22)が17日、大阪市内で行われた阪神大学野球リーグの神戸国際大戦で救援登板。最速153キロで3回1失点、4奪三振と好投した。原辰徳監督(63)は先発投手としてのスタミナを評価。球団OBでは「ミスター完投」と呼ばれた斎藤雅樹と同じ変則右腕として、大投手への道をたどる。

 9月まではいなかった観客から、大きな拍手が起きた。ドラフト会議後の初登板。7回、翁田の名がアナウンスされると、視線がマウンドに集まった。

 「無観客試合だったりを経験していたので、期待や応援が率直にうれしかったです」

 この日が大学最後の登板で、周囲への感謝を込めた31球だった。9回の最後の1球でこの日最速の153キロをマーク。力強い直球で、空振り三振に仕留めて試合を締めた。3回1失点。「結果が求められる世界に行くので、1失点したことは自分の課題。長く野球をやるにはああいうところを詰めていきたい」と振り返った。

 大学入学後に変更したスリークオーター。最速157キロを誇り、原監督も「パワフルで先発完投するスタミナも十分」と評価する。9月19日の大産大戦では延長10回を188球、前回登板だった4日の大体大戦でも149球で2失点完投勝利。スタミナがあるところを証明した。

 巨人の変則右腕で完投と言えば「平成の大エース」と呼ばれた斎藤雅樹。89年には11試合連続完投勝利など21完投を果たし「ミスター完投」の異名もある。通算180勝を挙げた大投手のように、変則右腕として巨人の大黒柱となる期待は大きい。

 全国に100人ほどしかいない珍しい名字。翁田自身も同じ名前に出会ったことはない。「(以前は)アナウンスも間違えられて、オキナタって呼ばれたり。得したことはないですね」。プロで名をはせ、誰もが知る「オウタ」を目指す。(田中 健人)

 ◇翁田 大勢(おうた・たいせい)1999年(平11)6月29日生まれ、兵庫県出身の22歳。小1から野球を始め、中学では「氷上ボーイズ」でプレー。西脇工では2年秋から投手に専念した。関西国際大では2年春に公式戦デビュー。今秋のリーグ戦では7試合に登板し2勝1敗、防御率1・60。1メートル81、88キロ。右投げ右打ち。

 ▽斎藤雅樹 市川口から82年ドラフト1位で巨人入り。当時の藤田元司監督の助言から横手投げに変更し、3年目の85年に12勝をマーク。89年には日本記録となる11試合連続完投勝利を含む21完投で20勝を挙げた。通算180勝96敗、防御率2.77。最多勝5度、最優秀防御率3度、最高勝率3度、沢村賞3度などのタイトルを獲得し、01年に現役引退。巨人2軍監督や1軍投手コーチなどを務めた。

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