大谷のライバル ペレスとゲレロに感じた「ギャップ」 笑顔似合う好漢&若きリーダー

[ 2021年9月27日 07:45 ]

ロイヤルズのペレス(右)、ブルージェイズのゲレロ(AP)
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 この数週間の間に、ロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手(31)、ブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手(22)という2人のスラッガーの出場試合を取材する機会があった。ホームラン王争いではエンゼルスの大谷翔平投手(27)のライバル。コロナ禍に加え、大リーグ全体でも注目の存在とあり、直接話を聞くのは容易ではなかった。

 もともと捕手は先発投手とのミーティングなどやるべきことが多く、試合前に取材のタイミングを図るのは難しい。筆者が取材に訪れたボルティモアでのオリオールズ戦前、ペレスは打撃練習時のフィールドに姿を現さず、ロイヤルズの広報からは「今日のインタビューは難しいと思う」と言われてしまった。

 ところが、オリオールズの選手にあいさつするためにペレスが一瞬、ダッグアウトから顔を出した際に声をかけると、あっさりと取材OKに。話をしようとしていた仲の良い選手を近くで待たせ、短い時間ながらも丁寧に筆者の質問に答えてくれた。「今は忙しいから」と断られても仕方ない状況。少々感心させられた。

 右肘の手術じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けてプレーできなかった19年を除き、12年から昨季まで8年連続2桁本塁打を放ったペレスは今季、ジョニー・ベンチ(元レッズ)が持っていた45本という捕手としての最多本塁打記録を更新した。守備でも俊敏さと強肩を備え、現役を代表する名捕手であることは間違いない。大柄で一見、無骨なこわもてにも思えるが、実際は誰にでもさわやかな笑顔を向ける好漢。大谷とバッテリーを組んだオールスター時、日本メディアの取材に丁寧に対応していた姿も記憶に新しい。

 「その人柄もあって、チーム内の投手陣からの信頼は極めて厚い」

 あるチーム関係者はそう述べていたが、この日の短いインタビューの経緯からも、ナイスガイぶりは伝わってきた。

 一方、ゲレロはペレスよりもさらに報道陣へのガードが固く、ミネソタでの9月23日からのツインズとの4連戦中、25日までの3試合でインタビューの機会がなかった。現在、ゲレロは3冠王を射程圏内に捉えているだけでなく、ブルージェイズはワイルドカード争いの真っただ中。チームとして試合前の取材対応は避けたかったのだろう。

 殿堂入りした同名の父を持つ2世選手として早くから期待を集めてきたゲレロ。3年目にして大ブレークし、注目度も一気に上がった。ある地元記者は「前半戦ではよく取材対応していたが、要望が多すぎて疲れてしまったみたい」とも述べていた。

 そんなエピソードを聞くと、少々わがままで周囲の人たちに守られている若きスーパースターの姿を思い浮かべるかもしれない。ところが、実際のゲレロは22歳にして成熟しており、リーダーシップも取るようになっているのだという。今年5月からメジャーで活躍する新人投手のアレク・マノアは、こんな話をしてくれた。

 「(ゲレロは)行動で示すタイプのリーダーだ。いつでもポジティブで、全ての試合がオールスターゲームであるかのように真剣に準備する。そんな彼の姿とプレーに臨む態度は、みんなの良い手本になっているよ」

 ブルージェイズのベテラン内野手、マーカス・セミエンも似たようなことを話していた。ペレス同様、ゲレロもチームメートからの評判は上々のよう。ゲレロの父もワイルドな風ぼうとは裏腹に口数は少なく、プレーで魅了するタイプの選手だった。ジュニアもまた同じ系譜を継ぐスーパースターなのだろう。

 今回、ペレス、ゲレロとゆっくり言葉を交わすことはできなかった。それでも、短い時間や周囲の選手たちの言葉から、リーグ最大級の注目選手になった2人の人となりが、うっすらと見えた気がする。(記者コラム・杉浦 大介通信員)

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