阪神・佐藤輝 自身初の2打席連発 21号&22号で猛虎新人史上最強アーチストが偉大な先人に肩を並べた

[ 2021年8月18日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6ー2DeNA ( 2021年8月17日    東京D )

<D・神16> 6回無死、阪神・佐藤輝は左中間にソロ本塁打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 阪神・佐藤輝明内野手(22)がDeNA戦で2本塁打を放ち、球団OBの田淵幸一氏(本紙評論家)が持つ球団新人の最多本塁打記録に並んだ。まずは3回に後半戦初本塁打となる右越え21号ソロで、プロ野球新人左打者の最多本塁打記録を更新。そして同点の6回、左中間への22号決勝ソロで、偉大な先人に肩を並べた。猛虎新人史上最強“アーチスト”が3安打3打点で勝利に貢献し、2位・巨人との差を2ゲームに広げた。

 桁違い、規格外…どの表現も物足りない。3発を放った5月28日西武戦以来の1試合マルチ本塁打で、2打席連発は意外にも初だった。大暴れの佐藤輝は何よりもまず、チームの勝利を喜んだ。

 「直接、勝利に直結したのが一番、うれしいところですね」

 3回1死だ。浜口に2球で追い込まれながらも粘った。6球目、内角高めの厳しい141キロ直球に、うまく肘を抜いて対応。振り抜いた打球は一瞬の後、無人の右翼席中段で跳ねていた。「そこを攻められるのはもう分かっていますし。きょうはうまく打てた」。後半戦初で、東京ドームでも初の本塁打となった21号。20本で並んでいた46年大下弘(セネタース)を抜き、75年ぶりにプロ野球新人左打者の最多本塁打記録を更新した。

 「そういう記録をつくれたことはすごく光栄ですし、うれしく思います。でも、まだまだ試合はあるので、これからどんどん積み重ねていければ」

 先頭で迎えた同点の6回にも、バットが火を噴いた。浜口の内角低め137キロ直球を左中間へ運ぶ決勝22号ソロ。今度は69年田淵幸一の球団新人最多本塁打記録に肩を並べた。「すごいホームランバッターというのはもちろん知っていますし、そういう方に並べたのは、すごくうれしい」。そう話した背番号8の躍動に、矢野監督も「大先輩の記録に並んだのもすごい。30って目標も見えてくる」と目を細めた。

 向かうところ敵なしと思える和製大砲にも、大の苦手がある。夏の風物詩「怪談」だ。「大丈夫じゃないです。絶対見ないです。得することがない。大学の時は見ようぜって(友人から誘いが)あったんですけど絶対見ない。怖いし、それで夜、トイレ行くの怖くなったら嫌なんで」。目に見えないような剛速球にも豪快なスイングで果敢に立ち向かうが、目に見えない心霊系には“へっぴり腰”になる一面も持つ。そこが魅力と言える。

 初回1死満塁での右翼フェンス直撃の先制適時打も含め3打点を記録し、通算57打点。56打点だった新人年の田淵氏を超え、48年別当薫に並ぶ球団新人3位タイに躍り出た。本塁打記録での“田淵超え”も秒読みだが、「チームに貢献できるバッティングをして首位をキープしていきたい」。チームの勝利こそが、無上の喜びだ。(阪井 日向)

 ○…佐藤輝(神)が3回と6回に浜口(D)から2打席連続のソロ。シーズン22号は新人歴代8位タイで、69年田淵幸一の阪神新人記録に52年ぶりに並んだ。また左打者では46年大下弘(セネタース)の20本を75年ぶりに更新する新人最多記録とした。DeNA戦では広島戦の4本を抜いてチーム別最多の5本目。東京ドーム弾は初めてで8球場目。セ・リーグ球団の本拠地では唯一本塁打がなかった。

 ○…初回の先制適時打との計3打点でシーズン57打点目。阪神新人の打点では80年岡田彰布の54打点、69年田淵の56打点を抜き、48年別当薫に並ぶ歴代3位になった。

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