市西宮、快勝発進 エース大山“自身初”完封 今春大敗の屈辱乗り越え成長

[ 2021年7月11日 18:34 ]

兵庫大会 2回戦   市西宮5―0高砂南 ( 2021年7月11日    淡路佐野 )

試合前、ポーズを取る市西宮の選手たち(11日、淡路佐野運動公園野球場)
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 市西宮のエース・大山晴大(3年)が完封、3年ぶりに夏の初戦を突破した。

 8安打を浴び、内野陣も3失策。4回を除き毎回走者を背負ったが「粘り強く投げられました」と要所を締め、適時打を許さなかった。

 これが練習試合を含め、自身初の完封という。「立ち上がりから最後まで投げる気でした。省エネと言いますか、苦手な緩い球を交えて、うまく投げられました」。速球に頼りがちだった投球を改め、緩いカーブやスライダーを織り交ぜた緩急自在の投球が新境地を開いたようだ。

 暑さから、8回には足がつったが、終盤は投球ごとに大声を発しながら気力で投げきった。

 打線は2回、敵失から三宅大地(2年)の中前打で先制。5回には1死一、三塁から内野ゴロの間に追加点。8回は2死満塁から鹿嶋朔人(2年)が走者一掃の左越え二塁打を放ち、ダメを押した。

 鹿嶋は2ストライクと追い込まれるとノーステップ打法で粘り、ファウル3本の後にとらえた。「初球から打つように心がけていますが、追い込まれてからは粘るのが自分の打撃。今日も食らいついていけた」

 三宅の先制打も鹿嶋のダメ押し打も、ともに8球目の変化球をしぶとくとらえた一打だった。

 高砂南は昨秋県8強。今春の練習試合でも2―7で敗れていた相手だった。

 また、今春は地区大会で市尼崎に1―20という惨敗を喫していた。相当ショッキングな敗戦だが、主将の丸本拓弥(3年)は「あの負けの後、基礎からやり直した。限られた時間のなか、全員で質の高い練習をやってきた」と、成長をした姿を夏に見せた。

 吉田俊介監督(36)は「練習試合ができない期間が長く、実戦感覚がない割には上々の出来でした」と笑顔を浮かべ「ということは、このチームにはまだまだ余力があるということです」と大きな可能性をみている。

 次は関西学院。丸本は「一戦一戦大事に戦い、目標は甲子園です」と表情を引き締めた。(内田 雅也) 

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2021年7月11日のニュース