中畑清氏 「安全・安心」実証したプロ野球 五輪にも“流れ”つなげてほしいな

[ 2021年6月15日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】2年ぶりのセ・パ交流戦が13日、延期分の3試合を残して終わった。ちょうど交流戦が始まる5月下旬に広島の選手、コーチら12人の新型コロナウイルス陽性が確認されてさ。広島戦の最初2試合が中止。不安な立ち上がりになったけど、その後は感染の大きな広がりはなく、順調に進んだ。

 内容もよかった。どっちに転ぶか最後まで分からない熱戦が多くてさ。延長戦なしの特別ルールもあって引き分けが11。優勝は11年ぶり2度目となるオリックスだったけど、セのチームもよく頑張ったよ。広島が残り2試合で1勝すれば、09年以来2度目の勝ち越しとなるんだから。

 スタンドも盛り上がったなあ。福岡のペイペイドームはソフトバンクの孫正義オーナーの判断で全試合、大阪の京セラドームは自治体の要請で週末だけ無観客で開催されたけど、その他の球場は人数制限ぎりぎりまで受け入れた。この期間中、私も東京ドームとZOZOマリンを訪れたけど、やっぱりお客さんが入っていると違う。まだ大声を上げての声援はダメだけど、拍手やメガホンを叩く音量と圧。選手に伝わったと思うよ。

 この流れを38日後に開幕する東京五輪・パラリンピックにつなげてほしいな。五輪はまだお客さんを入れるか無観客にするか結論が出てないし、開催自体に反対している人も少なくない。私も3月に感染し、入院。その怖さは知っている。でもね。安全、安心を確保して有観客のスポーツイベントを開催することは可能。プロ野球がそれを実証している。マナーとルールを守りさえすれば問題ないってね。

 東京五輪はすでに海外からの一般観客の受け入れを見送ることを決めている。お客さんを入れるとしても条件はプロ野球と一緒。競技場が屋外か室内かで一律にできない部分もあるけど、そこは人数で調整すればいいんじゃないかな。

 遅れていた国内のワクチン接種もここにきて加速してきた。世界中からやってくる選手、関係者も多くの人が接種を終えているだろうしね。水際と滞在期間中のチェックをしっかりしてもらって…。安全で安心な大会になるよう祈ってる。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2021年6月15日のニュース