大切なのは「力まないこと」 重信を立ち直らせた元木ヘッドの一言

[ 2021年6月8日 09:30 ]

<巨・日1>7回1死二塁、鈴木健(手前)から2点本塁打を放つ重信(撮影・木村 揚輔)
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 人はちょっとしたことがきっかけで立ち直ることがある。巨人の重信慎之介外野手(28)は4日の日本ハム戦に「1番・右翼」で先発出場し、3点リードの7回に2号2ランを放った。ただ、その前の3打席は3連続三振。悩んでいた重信が結果を出せたのは、元木大介ヘッドコーチ(49)による一言がきっかけだった。

 7回の4打席目を迎える直前。ネクストバッターズサークルで「何も考えず、お前の思いきりのよさでいけ」と言われた。その助言で力みが消え、2球目を右翼席へ運んだ。

 重信は「(3打席目まで)自分の中では頭でっかちになってたとは思わないですけど、ただ固くなっていたのかなとは思う。なので元木さんのその一言で吹っ切れました」と当時の心理を振り返る。その試合後、原辰徳監督(62)は「(4打席目が)違った結果であるならば、どういう世界に行っていたか分からないね」と笑いながら話していただけに、チームだけでなく、自身にとっても意味のある本塁打だった。

 一方、グラウンド外ではチームメートを救っていた。5月のある日、愛車が故障し「やってもうたー」と後輩の松原聖弥外野手(26)がロッカーで頭を抱えていた。そこで声を掛けたのは、チーム屈指の車好きで知られる重信。「ちょっと見せてみな」と手を差し伸べた。

 「話を聞いてみたら『直せるかな~』と思ったので、見てみたら『絶対できるな』という感じだったので、やりました」。車のメカニックにも精通しており、修理はお手のもの。運転席の下部をドライバーなどを使って修理する様子を、松原は自身のインスタグラムにも投稿し「ほんま神様」と感謝していた。

 日々のリラックス法も車だという。車を見たり、いじったりして趣味に没頭することで、疲れも忘れるのだろう。今季の打撃での意識も「力まないことですかね、一番は」と言っていた。
(記者コラム・田中 健人)

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