阪神・原口 気迫!激走!プロ初三塁打!大敗ムードに勇気の一打 矢野監督「札幌につなげたい」

[ 2021年6月7日 05:30 ]

交流戦   阪神3ー8ソフトバンク ( 2021年6月6日    甲子園 )

<神・ソ>8回、左中間三塁打を放ち、激走する原口(撮影・大森 寛明)
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 魂の一打だ。阪神・原口が打った。そして甲子園を全力で走り抜いた。三塁に気迫のヘッドスライディング。大差がついた試合でも、熱い闘志をファンの前で燃やしてみせた。

 8点差で迎えた8回1死無走者での代打登場。消沈のスタンドの空気を、ひと振りで変えた。2番手左腕・嘉弥真に対して、3球ファウルで粘った7球目だ。134キロの低め変化球に食らいつき、左中間に運び、三塁まで飛び込んだ。プロ12年、897打席目での初めての三塁打だった。

 これが原口だ。点差や状況に関係なく、打席では集中力を発揮する。それが最後まで応援してくれるファンへの礼儀。今季21試合目で6本目の安打が、マルテの11号2ラン、そして9回の佐藤輝の15号ソロを誘発した。

 矢野監督にも熱い思いは伝わった。「嫌なムードだったけど、原口が1打席で影響を与えて、あのまま終わらず最後に何とかすることができた。これを、札幌につなげていきたい」。諦めない姿勢を高く評価した。

 19年6月4日の敵地でのロッテ戦。大腸ガンと闘った男は交流戦で不死鳥のように復活した。9回1死三塁からの代打適時二塁打の歓声と興奮は忘れていない。記念球は原口の宝物だ。

 代打成績もこれで19打数6安打、打率・316。「9回打ち切りでチャンスは少ないけど、気持ちだけは変わらない。しっかりやる準備をするだけ」と語る背番号94は札幌、仙台に必勝を誓って乗り込む。(鈴木 光)

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2021年6月7日のニュース