石井楽天　犠打!スクイズ!スクイズ!プロ野球タイ記録1イニング3犠打の小技3連発で首位快走

交流戦   楽天7－3広島 （ 2021年6月5日    マツダ ）

＜広・楽＞8回無死一、二塁　敵失を誘う送りバントを行う辰己撮影・成瀬　徹）
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　楽天・石井監督の勝負師のタクトが相手の隙を逃さなかった。8回、島内のソロで1点を勝ち越し、なお無死満塁。太田が初球スクイズに成功すると、続く村林まで初球スクイズを決めた。処理した投手の塹江の悪送球も誘い、2走者が生還。2つのバントで3点を奪い、勝負を決めた。

　「追加点がどうしても欲しいところで、うまくコンタクトしてくれた」と石井監督。中盤まで田中将と森下の投げ合い。両投手が降りた後に仕掛け、試合を動かした。これで今季のスクイズは計6度目の成功で12球団トップだ。チーム本塁打はリーグ4位、打率は5位、盗塁は4位。長打力でも、確実性でも、機動力でもなく、適材適所の用兵こそが強みだ。連続初球スクイズの直前には辰己が捕手の失策で塁に残る犠打で満塁機へ拡大しており、1イニング3犠打はプロ野球記録タイ。スクイズを決めた5試合は4勝1敗とした。

　村林は前日に代打で送りバントに失敗。5月30日のDeNA戦から2連続で得意のバントに失敗していた。「下手なやつに（バントのサインを）出しているわけじゃない。100回のうち5回失敗するものが、2連続で出ちゃっただけ」と指揮官の信頼は揺るがず。連続スクイズという難しいプレーを見事に決めた村林は「自分はあのような場面で仕事を求められている」と笑顔。太田も3月28日の日本ハム戦、5月30日のDeNA戦でスクイズ失敗があり「今回は絶対成功しようと思っていた」と胸を張る。

　首位のチームは4連勝で今季最多の貯金8。前日に「3連勝って連勝と言うんですかね？」と素っ気なかった石井監督も「4連勝ぐらいからは連勝に入ると思います」と言った。2者連続スクイズはプロ野球では石井監督にとって現役時代の恩師である野村克也監督が率いていた09年の楽天以来。12年の時を経て、名将をほうふつさせる采配を披露した。（後藤　茂樹）

　《球団12年ぶり》楽天は8回に太田、村林の連続スクイズを含む3犠打。チームの1イニング3犠打は、09年5月13日日本ハム戦の4回に嶋、聖沢、内村が3連続で記録して以来で、聖沢と内村は連続スクイズだった。