広島・森下 復帰戦は7回途中降板 力投実らずもマー君と「しっかり投げ合うことができた」

[ 2021年6月6日 05:30 ]

交流戦   広島3ー7楽天 ( 2021年6月5日    マツダ )

<広・楽>力投する先発の森下(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島・森下暢仁投手(23)が5日、5月12日のヤクルト戦以来の復帰戦で一度はつかみかけた白星を逃した。田中将と初めての投げ合い。6回1/3、3失点で勝敗はつかず、救援陣が崩れて逆転負けした。連敗のチームは今季ワーストを更新する借金7。過去9度のリーグ優勝における最大借金は79年の「6」で、逆転優勝の“デッドライン”を越えた。

 森下は24日ぶりの登板を言い訳にしないと決めていたに違いない。初回先頭の小深田に右翼線への三塁打を許し、続く鈴木大の二ゴロで先制点を与えても、「いつも通り試合に入ることができた」と言い切った。初回失点は、今季8度の先発で2度目。普段と異なる立ち上がりから持ち前の修正力で周囲の不安をかき消そうとした。

 6回まで89球で1失点。直後の攻撃では1死一、二塁で打席を迎え、代打はなく、送りバントを失敗した。3―1の7回も続投。先頭から今季初の2者連続四球を与え、続く代打・村林に犠打を許したところで100球に到達。今季初めて回の途中で降板した。

 森浦が同点に追いつかれ、白星は消滅した。「疲れとかではない。試合の敗因をつくってしまい、流れを壊してしまった」。珍しく制球を乱した7回を振り返っても、決して言い訳しなかった。

 新型コロナ陽性者の濃厚接触者に指定され、2週間の隔離生活を送った。ただし、他者との接触を避ける形での個別練習は継続。1日100球以上を投げる日をつくるなどして調整を工夫した。

 2軍での実戦調整はなく、登板前日に合流する「ぶっつけ本番」。6回1/3、3失点は合格点と言え、佐々岡監督にも「いつもと違う調整の中でもしっかりと最少失点で試合をつくった。ナイスピッチングだった」とねぎらわれた。

 初の交流戦の登板で田中将と投げ合った。2人は東京五輪の侍ジャパンの一員として、ともに先発を担う可能性もある。「自分がプロに入る前からずっとテレビで見ていた凄い選手。しっかり投げ合えることができて良かった」。6回の打席ではスライダー、スプリットを駆使され、バントを3度ファウル。得意の犠打をさせてもらえなかった。勝負どころでの投球を体感する貴重な一日となった。

 ただし、森下の登板日を落とした事実は重い。「同じことを繰り返さないようにしっかりと準備していきたい」。借金7からの巻き返しには、より万全な森下が欠かせない。(河合 洋介)

 《終盤の継投が暗転…》終盤の継投が暗転した。3―1の7回1死二、三塁で登板した2番手・森浦が同点に追い付かれると、8回に救援した塹江は先頭・島内に勝ち越し被弾。さらに無死満塁から2者連続で初球スクイズを決められた上に自身の失策が絡んで、今季最多の一挙4失点だ。佐々岡監督は「塹江はもう1点もやりたくないという気持ちが出たと思うけど、冷静にならなくてはいけないところでもあった」と指摘した。

続きを表示

2021年6月6日のニュース