オリックス・由伸 9回無失点“完投”で防御率1位浮上 則本昂との投げ合い、今季最短2時間12分で終了

[ 2021年4月29日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス0-0楽天 ( 2021年4月28日    京セラD )

<オ・楽>9回を無失点で投げ抜き笑顔で捕手・頓宮とタッチを交わす山本(撮影・後藤 正志)
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 オリックス・山本は最後の打者を左飛に打ち取り、グラブをポンとたたいて笑顔を見せた。9回96球で許したのは3安打だけ。1人でスコアボードに9個の「0」を並べても、「完封」にはならなかった。最後の攻撃も2死一、二塁を生かせず、プロ野球タイ記録の3試合連続引き分けに終わったからだ。

 「いい力感で、いいイメージで投げることができた。ストライク先行でいけたことで、テンポ良く“理想の球数”で投げられた。9回に上がる時も、まだ8時が来ていなかったので、びっくりした。時計が壊れているのかなと思った」

 今季両リーグ最短2時間12分で演じた投手戦の主役だった。初回先頭の小深田に右翼線へ打ち返されて無死二塁。わずかな隙を一瞬で修正し、後続3人を150キロ超の直球やカットボールで抑え込んだ。2~5回はすべて3者凡退に封じ、寄せ付けない内容。防御率1・39はリーグトップにも浮上した。

 新旧奪三振王(山本=20年、則本昂=14~18年)の激突。打線も今季最少に並ぶ2安打しか打てず、脱帽の中嶋監督は「見応えのある、凄い投手の投げ合いだなと。(則本昂は)今日は難しかった」と両投手に敬意を表した。前回投げ合った昨年10月20日も7回ずつを投げ、試合は2―2の引き分け。無観客だったのがもったいない圧巻の投手戦だった。

 《44年ぶり3試合連続ドロー》オリックスは25日の日本ハム戦から3試合連続で引き分け。08年8月29~31日のソフトバンク―西武3連戦以来、延べ10チーム目のプロ野球タイ記録で、チームとしては阪急時代の77年4月以来44年ぶり2度目。また、山本(オ)は96球で完投し、則本昂(楽)は8回98球で交代。両先発投手が9回以上を完投して0―0の引き分けなら、87年9月8日の西武―南海戦で工藤公康と山内孝徳が11回を投げ合って以来の珍事だった。

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