なぜ日体大の投手は上位指名を受けるのか 元中日、日体大・辻孟彦コーチの挑戦

[ 2021年4月29日 20:33 ]

ブルペンで投球フォームをチェックする辻コーチ(撮影・柳内 遼平)
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 昨秋の首都大学リーグを制した日体大の投手育成が凄い。18年に西武1位指名の松本航、ロッテ2位の東妻勇輔、19年にヤクルト2位の吉田大喜、昨年は中日2位の森博人と3年連続で投手がドラフト上位指名を勝ち取った。

 快挙に大きく貢献しているのが7年目を迎えた辻孟彦コーチ(31)だ。中日で投手として3年間プレーした経験を母校での指導に生かしている。

 コーチだけではなく、選手のスカウトも担当する。昨年は自らが声をかけ、日体大で才能が開花した森が古巣の中日から指名を受けた。愛知県出身の右腕の入学当初を「話してみると、びっくりするくらいのドラゴンズファンだった」と振り返り「小さい頃から夢だった球団に入れたってことは僕にとってもよかった」と笑みをこぼす。

 近年の実績を受け、入部を希望する選手や指導者は増加。古城隆利監督、辻コーチに多くの相談が寄せられる現状に「“日体大ならば伸びるのではないか、4年間悔いなく送れるんじゃないか”と言ってくださる方がいてうれしい。モチベーションにもなっている」と言う。

 投手が伸びる要因は辻コーチが作成する長期的な育成プランもだが、投手陣のモチベーションの高さが大きい。リーグ戦期間中の練習で、辻コーチはベンチ入りする投手ではなく、ベンチ外の投手に寄り添う。「メンバーに入れなかった選手たちを指導すること。そこにやりがいを感じる。試合に出るために取り組む姿を見ると、“ああ、こいつ成長するよな”と想像するのが好き。森もですけど、先輩達が1年時から先発したわけではなく、3年秋から4年春にかけて先発の機会を得た。しっかり練習をやってきた下積みが長い選手が多い。それを見ているので、みんなモチベーションが高い」。ベンチ外の選手の奮闘が競争の激化につながり、上位指名でも欲しいエースを生んできた。

 「希望を持って来ている選手の力になりたい。選手が成長した姿を見るのが僕の達成感と喜び」。高校入学時に経験した右肘の大きな故障、1度だけ出た甲子園、大車輪の活躍を見せた日体大時代。プロで見た華やかな世界と課題に挑み続ける先の見えない日々。すべての経験が辻コーチの指導をつくりあげている。(柳内 遼平)

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