全国の野球少女たちの“夢” 21年から活動開始の「阪神タイガース Women」にも期待

[ 2020年12月5日 09:00 ]

「阪神タイガース Women」のロゴマーク
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 阪神は14年から関西女子硬式野球リーグを後援している。女の子の球団マスコット「ラッキー」の名前を提供し『ラッキーリーグ』としてバックアップしてきた。今年で6年目を迎える。

 野球の競技人口が減少する中、女子は増加傾向を見せている。日本女子プロ野球リーグの公式ホームページによれば、09年には約600人と言われていたが、19年には2万人(学童野球も含む)を超えた。女子硬式野球部も07年には全国でわずか5校だったが、40校(2020年3月時点)に増えた。

 「将来の夢と野球を両立でき、野球を通して学べる環境をつくりたい」。来春4月に新設される京都文教大の女子硬式野球部総監督に就任した元女子プロ野球選手・小西美加氏は、競技を続けながら、将来の夢も追うことができる新しい環境作りへ新たな一歩を踏み出した。

 NPBクラブチームの先駆けとなったのが、NPB12球団初の公認チームとして今年から始動しているライオンズ・レディースだ。10月下旬に行われた第15回全日本女子硬式クラブ野球選手権大会では創設1年目で初優勝。トップチームのレベルの高さを証明した。

 初の試みも行われた。11月の下旬、巨人が後援する関東女子硬式野球連盟(ヴィーナス・リーグ)と関西女子硬式野球連盟(ラッキー・リーグ)が全日本女子野球連盟と協力し、第1回女子野球東西選抜対抗交流戦を和歌山・田辺スポーツパーク野球場で実施。新しい取り組みを進めている最中だ。

 全国の野球少女たちの“夢”をかなえる場所を作る。21年から活動を開始する「阪神タイガース Women」も関西のトップチームとしてさらに盛り上げていく。初代監督に就任した阪神OB・野原祐也氏は「選手たちとともに、多くの女子選手のあこがれ・目標となれる元気で明るい雰囲気のチームにしたい」と目標を掲げた。競技人口が増え、裾野が広がり、プレーする環境が整えば、もっと活気づいていく。NPB12球団のレディースチームが試合を行う未来は着実に近づいている。日本中から愛される日も遠くはない。(記者コラム・須田麻祐子)

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2020年12月5日のニュース