「超人」阪神・糸井 話術のクオリティーも格別だった

[ 2020年5月13日 09:00 ]

阪神の糸井
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 直接選手と接触できなくなって以降、オンラインでの取材や、選手個人が発信しているSNSを紙面で紹介する機会が増えた。試合もなく、日々の動きが少ない厳しい状況だが、シーズン中はなかなか見られない選手の素のキャラクターに触れられるチャンスとも捉えている。

 担当する阪神で、その言動がキレ味抜群なのが糸井だ。「超人」と呼ばれる天然キャラは周知の通り。ただ、京都育ち、近大卒の根っからの関西人だけに、狙った笑いのクオリティーも格別だ。

 7日に初対応したオンライン取材では、胸に「3150」(サイコー)と書かれた黒いTシャツで登場。開口1番、「はいどーもー! 最高!!」と久々の肉声で爆笑を誘った。昨秋手術した左足首の状態を問われると、数字の「3」の部分を隠して「150%です!!」。見事なアドリブ力を見せつけた。

 昨年11月に故郷の宮津市で開いた野球教室を取材した。手術から約1カ月で、3週間前まで松葉杖をついていた「超人」が地元の子どもたちの前ではサービス精神全開。初めて屋外でバットを握る姿を披露し、ちびっ子の求めに応じてロングティーで柵越えにも挑戦した。飛びにくい軟球だけに予定の7球で越えられず、1球おかわり。惜しくもネット直撃で「悔しい~! でもこれは無理!」と笑わせた。

 実はこの時、報道陣には事前に関係者から「外で走ったり、バットを振ったりしたら書かないで下さい。まだ(医師の)OKが出てないので」と通達されていた。イベント後の取材では、本人も「見てたな。そうです。言わんといて。止められているんで」と1度、前振りしておきながら「ウソです。大丈夫」とニヤリ。奔放でありながら軽妙な話術に思わず感心した。

 昨年12月11日の契約更改では今季の目標を「いろんなものをジャッカルしたい!」と宣言。この時に公式インスタグラム(@itoiyoshio_7)を開設している。イメージ通り?筆まめなタイプではなくても、時々更新される投稿は超人ワールド全開だ。正直、シーズン中は質問に無言のこともあり、取材しやすい相手ではない。それでも、本来は周りの人を楽しませるのが大好きな人間だと思う。何かと暗い話題が多い今、糸井の底抜け明るさを心地よく感じている。(山添 晴治)

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2020年5月13日のニュース