大野豊氏 広島投手陣へエール「自分との戦い。辛抱強く、我慢強く」

[ 2020年4月6日 05:30 ]

大野豊氏
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 V奪回を目指す広島は、投手陣容を固め切れないまま開幕延期を迎えた。新型コロナ禍の終息が見えない過酷な状況でも、この期間をうまく活用して先発、抑えを整備したいところ。本紙評論家の大野豊氏(64)は抑え候補との秘話を明かしつつ、難しい調整を強いられる投手陣に「自分との戦い。辛抱強く、我慢強く」とエールを送った。(構成・江尾 卓也)

 投手陣の陣容が固まっていない中で、開幕の再延期が決まった。新型コロナの感染が広がっている折り、自己中心的に好都合とは言うまい。ただ猶予期間を与えられたことで、課題解消の可能性が出てきたのも事実だ。

 最大の懸案は、リードした展開の7~9回を誰にするのか。投手出身の佐々岡監督が就任し、どんな答えを出すか注視したが、肝いりで先発から中継ぎに配置変換した岡田と、実績のあるフランスアが低調だったのは大誤算だったと思う。

 中でもフランスアは悩ましい。持ち味のストレートが走らない上に、制球難で四球絡みの失点も目に付く。目に見えない疲れがあるのかもしれないが、強い球を投げようとして腕や上半身の力に頼り過ぎ、手投げになってしまっている。

 実は先日、佐々岡監督に確認し、フランスアに左肘の使い方などを助言した。肩と手首が離れて肘が下がり気味なので、90度ぐらいの角度を意識して投げてはどうか…と。走り込みで体の切れや下半身に粘り、強さを出すことも必要だろう。

 フランスアと抑えを争う新外国人には明暗が出た。パワー系で期待したDJは内容に乏しく、逆にスコットはスライダーなどを駆使して結果を出した。現状での判断なら抑えは後者だ。ただ開幕は1カ月強、いや、もっと伸びるかもしれない。

 それなら中崎も候補になる。実戦が組めないため、どの程度でき上がったか読みづらいが、暖かくなれば状態はもっと上がるはず。フランスア、DJ、スコットに中崎を含め、開幕の時点で最も確かな投球ができる者を、後ろに当てはめることになるだろう。

 先発は床田までの4人が決まり。5、6番手を九里、薮田、遠藤が争い、中崎と同じ故障明けの野村が割り込んでくる構図だろう。本来なら野村はローテーションに入って後輩・森下の教育係ができたはずだ。出遅れた時間を有効に使い、意地を見せてもらいたい。

 延期に延期を重ね、先が見通せない開幕。調整は難しく、選手は大変だと思う。試合ができないのが一番つらい。実戦で試してみないと、見えないものがたくさんある。現時点で打者にどの程度するかもわからず、不安を抱く者もいるだろう。

 ただ、フランスアがそうであるように、選手には個々に課題がある。考えようによってはチャンスだ。いい時間をもらえたと受け止め、クリアできるように努めてほしい。基本練習に汗を流すと同時に、少しでも技術が向上するよう取り組む。

 確定したものは、あるようでない。自分との戦い。取り組み方一つで、自分を強くできる期間にもなる。辛抱強く、我慢強く。体調管理にはくれぐれも留意しつつ、いずれ迎える開幕に向け、1軍で力を出し切れる状態は自らがつくる気持ちを忘れないでほしい。(本紙評論家)

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